通信環境が整った現在、文字情報より圧倒的に優れた情報伝達力を持つ動画は、Webマーケティングにおいて必須の施策です。その中でも「YouTubeマーケティング」が重要視されていることは知っていても、効果的に活用するためにはどのようにしたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、YouTubeマーケティングとは何か、活用法を交えながら解説します。
YouTubeマーケティングとは
YouTubeマーケティングとは、チャンネル開設による動画投稿や広告掲載など、企業がYouTubeを通じてPRやブランディングを行う手法のことです。
見込み顧客の獲得や、認知度拡大を目指す企業にとっては大きなメリットが期待できるため、人気を集めています。
YouTubeを活用するメリット
圧倒的なユーザー数とプラットフォーム性
YouTubeは、世界に20億人以上のユーザー(2020年3月時点)がいると言われ、日本国内でも月間6,500万人以上(2020年9月時点)が利用している世界最大級の動画プラットフォームです。
年齢・性別問わず幅広い層のユーザーに人気があり、TV番組よりもYouTube動画の視聴時間の方が長いという人も年々増加しています。
5Gの時代が到来し、今後より一層動画を活用したマーケティングが活発になる中、他を寄せ付けない圧倒的なユーザー数を誇るYouTubeは欠かせないマーケティングツールになってきています。
また、膨大な視聴データを基にした独自のアルゴリズムでおすすめ動画・関連動画がレコメンドされるため、企業にとっては潜在ユーザーにPRできる絶好の機会となります。
ユーザーへの訴求力が高い
動画は、テキストや画像だけでは伝えることが難しい商品の使用感などもリアルに伝えることができるので、共感を生みやすい特徴があります。
また、YouTubeは投稿動画の尺が自由に設定できるため、伝えられる情報量が多く、しっかりアピールすることができます。
YouTube外での間接的な効果が見込める
Googleの検索結果には動画も表示されるため、上位に表示されればアップロードした動画経由でWEBサイトへ流入してくれる可能性もあります。
また、YouTubeの動画のWEBサイトへの埋め込みも簡単に行えるため、WEBサイト自体の平均滞在時間が延び、直帰率の改善などの間接的な効果も期待できます。
SNSでの拡散が容易
YouTubeには共有ボタンがあり、他のSNSへ簡単に拡散ができます。
そのため、ユーザーが面白いと思ったり、役に立ったと感じるようなコンテンツを提供できれば、ユーザー間で共有され、さらに多くのユーザーへのリーチが可能になります。
YouTubeの活用方法
YouTubeは企業の目的に合わせて、主に3つの活用方法があります。
ファンの獲得目的:自社のYouTubeチャンネルを運用する
チャンネル開設や動画のアップロードは無料で行うことができます。自社チャンネルを開設し、動画への反響が大きくなれば、低コストでファンを獲得することができます。獲得したファンに対して、更に動画でサービスを上手くアピールできれば、見込み顧客になってくれる可能性が高まります。
ただ、動画を見てくれる人数=視聴者数を伸ばすには、チャンネル自体の登録者数を増やすことが必要ですので、ユーザーにとって価値があったり、興味を抱かせるような動画を投稿し続けることが重要です。
集客目的:YouTube広告を利用する
YouTube広告は、ユーザーがYouTubeの動画を再生する際に、再生前・再生中・再生後のいずれかに広告を掲載する方法です。集客、自社WEBサイトのエンゲージメントやCVRの向上などを目的として利用されます。広告はオークション形式となり、枠に対して最高額の単価を提示した広告が表示されます。
自社のチャンネル登録数が少なくても動画を視聴してもらえることがメリットです。
ここでは、主なYouTube広告の種類を5種みていきましょう。
- インストリーム広告
YouTubeの動画再生前や再生中に流される広告です。スキップ可能な広告と、不可能な広告があります。スキップ可能な広告は、30秒以上視聴された場合、もしくはクリックされた場合に課金されるシステムです。30秒経たないうちにスキップされた場合は料金が発生しません。
スキップ不可の広告は、15秒以下の広告で最後まで視聴する必要があり、必ず目に触れさせることができるという特徴があります。インプレッション1000回に対して課金されます。多くの人の目に触れるので、認知度向上に向いています。
- バンパー広告
インストリーム広告と同様に、動画再生中に表示される広告です。6秒以内と短く、スキップできないことが特徴です。インプレッション1000回に対して課金が発生します。認知度を高めることに適していますが、動画が6秒と短いので情報を色々と詰め込むのではなく、伝えたいメッセージを1つに絞ると良いでしょう。
- ディスカバリー広告
ディスカバリー広告には、YouTubeで検索したときに上部に表示される「インサーチ」、再生している動画のページ横に関連動画として表示される「インディスプレイ」があります。ユーザーがクリックすることで再生され、クリックによって課金されます。ユーザーが自発的に動画をクリックするため、興味関心が高いユーザーが多く、CVにつながりやすいです。
- アウトストリーム広告
YouTube以外のサイトやアプリなどに配信できるモバイル専用の動画広告です。
動画が2秒以上再生された場合に課金されます。YouTubeユーザー以外にもアプローチが可能です。
- マストヘッド広告
YouTubeホーム画面最上部に表示される広告です。最大30秒間音声なしで広告が自動再生されます。課金方法は、日別単価とインプレッション単価の2種類があります。
目立つ場所にあるので、新商品など多くのユーザーにアピールしたい時に効果的です。
認知拡大目的:人気YouTuberとコラボ
人気のYouTuberとコラボして、自社商品やサービスを紹介してもらうことで、認知度向上が見込めます。
人気のYouTuberなら数100万人以上のチャンネル登録者を抱えているので、広告の乱発によって自社のブランディングを損ねることなく、多くのユーザーに効率的に商材をアピールできます。
各YouTuber毎に特色があり視聴者層も異なるため、自社の商材と上手くなじむYouTuberを選ぶことで、高い費用対効果が見込めます。
▶関連:認知度と知名度の違い -マーケターにとって重要なのはどっち?-
成功するためのコツ
ターゲットを明確に
YouTubeマーケティングにおいて最も大切なことの一つがターゲットを明確にすることです。
その動画をどんな人に届けたいか、自社商品やサービスを使ってほしいのはどんな人なのか、具体的なペルソナをイメージすることが大切です。
また、企業は自分たちが伝えたいことを主体としてコンテンツを発信してしまいがちですが、ユーザーが求めている情報は何なのかという視点を常にもって動画を作成することを忘れてはいけません。
▶関連:マーケティングの最重要プロセス「ペルソナ」!用語解説から設定ポイントまで伝授
目的にあったKPIの設定
YouTubeマーケティングの目的を明確化し、適切なKPIを設定することで、客観的に現状を把握できるようになります。
例えば、認知拡大を目的とする場合は、動画の再生回数を指標としたり、新規顧客の獲得を目的とする場合は、チャンネル登録数を指標とするなど、目的に応じたKPIを設定することが重要です。
▶関連:【業績アップには必要不可欠】「KPI」と「KGI」そして「OKR」を解説
PDCAを回す
無料で利用できるYouTubeアナリティクスを活用して、現状把握をしながら、改善ポイントをチェックすることも重要です。YouTubeアナリティクスでは、チャンネル登録者数、総再生時間、視聴維持率、高評価数、インプレッションのクリック率などを見ることができるので、きちんとPDCAを回すことで新規登録者を増やすためのヒントを見つけましょう。
動画の視聴者層や視聴地域を調べることも可能なため、きちんと届けたいターゲット層に動画が再生されているかを確認することもできます。
他社事例の分析
他社の成功事例を分析することも、自社のマーケティング戦略を立てる上で、非常に役立ちます。
- どんな広告を出稿しているか
- どんなコンセプトでチャンネル運用しているか
- どんな動画の再生回数が多いか
- コラボしているYouTuberは誰か
必ずしも同業他社だけではなく、広く世の中で話題になっている動画はないか、意識的に情報を収集するようにすると良いでしょう。
まとめ
YouTubeを企業が活用することで、企業のファン数を増やしたり、多くの人へ情報を届けることが可能になります。
目的や予算に合わせて最適な方法を選び、自社商品やサービスの認知度向上やブランディングに活用していきましょう。
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