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クラスタとコミュニティの違い -今、注目されるコミュニティマーケティングとは?-

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混同されることが多いマーケティング用語の一例としてクラスタとコミュニティがあります。
今回は、両者の違いについて確認しながら、近年高い注目を集めているコミュニティマーケティングについてご紹介していきます。

クラスタとコミュニティの意味の違い

マーケティングにおけるクラスタとコミュニティは、どちらも「人の集まり」を指す用語です。

クラスタは、英語のclusterが語源であり、「集団」「群れ」という意味を持つ言葉です。同じ考えや趣味・趣向をもつ人の集まりを指します。
例えば、アニメ好きの人は「アニメクラスタ」、さらに細かく特定のアニメのファンはそのタイトルをいれて「〇〇クラスタ」になります。「野球クラスタ」「アイドルクラスタ」「猫クラスタ」等…その種類は数多に存在します。

一方で、コミュニティは、元来アメリカの社会学者が構築した概念から転じて、「共同体」のことを意味しています。
家族、学校で同じクラスといった、自然発生的に集まった集団のことをいいます。
考えや趣味・趣向が必ずしも同じである必要はなく、バラバラでもつながりや相互の協力関係がある状態です。
ちなみに、コミュニティを土台として、特定の目的をもって自主的に形成された集団はアソシエーションと呼ばれ、コミュニティとは区別されています。

クラスタのコミュニティ化

自社商品をPRしたい時、まずターゲットとすべきなのはクラスタとコミュニティどちらでしょうか?
正解はクラスタです。
はじめに、顧客が「好むものは何か」「興味があることはどんなことか」をイメージします。その商品の特性は、「これが好きな人に喜ばれるはずだ」と想定し、「〇〇好きクラスタ」へ情報発信していくことが効果的です。そうすることで、クラスタが商品のファンとなっていきます。
しかし多様化する現代においては、共通の商品に対し、違う側面から興味をもった「〇〇好きクラスタ」「××好きクラスタ」「△△好きクラスタ」同士が、それぞれの属性を越えてネット上でつながりをもち、協力関係を築いていくことで、コミュニティ化していく現象が増えてきました。

コミュニティマーケティングが必要とされる理由

コミュニティを積極的に活用して、自社商品やサービスをプロモーションするマーケティング手法を、コミュニティマーケティングといいます。商品や企業に対し好感を抱いているファン同士のつながりを生む場所や仕組みを作っていくマーケティング手法です。
コミュニティマーケティングが今注目を集めている理由としては大きく2つのことがあげられます。
一つは、広く全体の人に対して宣伝を行うマスマーケティングだけではモノが売れづらい時代になったことです。一方通行のプロモーションを行っても、受け取る側に興味関心がなければ購入には繋がりません。
二つ目は、SNSの台頭でコミュニティが形成しやすくなったことです。
コミュニティを通して実際の利用者が満足している様子を知ることで、興味関心を引き出す手法が注目されているのです。

コミュニティマーケティングによるメリット

コミュニティマーケティングによる主なメリットを3つご紹介します。

1.顧客の生の声を聞くことができる

従来のアンケートやインタビュー調査だと、顧客の声は予め企業側が考えた質問に対するヒアリングの範囲に限られています。
そのため、企業側が意図していなかった声を拾うことは難しいという現実がありました。
また、参加者が謝礼を受け取る場合も多いので、企業側に配慮した感想になってしまうことも少なくありません。
その点、コミュニティ上では顧客同士の率直な意見、見込み客からの疑問等が語られるので、本当の意味での「生の声」を拾うことができます。
企業側の想定範囲を超え、より良い商品開発、サービス向上へ役立てることができるでしょう。

2.ファンのロイヤリティを高める

コミュニティ上で顧客であるファン同士が意見交換をしたり、おすすめし合ったり、時には疑問を解消したりすることで、商品に対する愛着や信頼感が増していきます。
また、企業が顧客からの質問や要望に応えていくことで、信頼を獲得し、ロイヤルカスタマーへと引きあがっていくことが期待できます。
リピーターの増加、新規顧客獲得、LTVの最大化のためにもロイヤリティを高めることは重要です。

3.コスト削減

コミュニティ上で見込み顧客の疑問に対し、別の顧客が答えるといった、いわゆる「カスタマーサポート」的な機能を担ってくれます。
今までは、質問には必ず企業側が答える必要がありましたが、コミュニティのおかげでカスタマーサポートの人件費削減も可能です。
また、コミュニティ内で意見交換が活発であれば、特に広告費をかけることなく、新規顧客の獲得や既存顧客にもつながっていきます。

まとめ

クラスタとコミュニティはともに「人の集まり」を示す言葉ですが、クラスタは相互に協力関係を持つわけではありません。一方でコミュニティは、商品の質問に対して、同じコミュニティに属したファンが説明したり解説し合うような協力関係にあります。
この協力関係を味方につけたコミュニティマーケティングは、今重要なプロモーション手法となっています。
それぞれの機能を意識し、段階毎に効果的に使い分けることで、マーケティング活動に活かしていってはいかがでしょうか。

コミュニティマーケティングを行うには、どこにターゲットとなるユーザーとコミュニティがあるのかを正しく把握することが不可欠です。ソーウェルバーにはメディアプラットフォーム「Ballooon」を中心に様々なメディアの情報を格納した独自のメディアDBがあります。またDBを基にロジカルにメディアプランニングを行うSPANというサービスもございますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

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