WEB広告配信を効率的に行える仕組みとして登場したのがDSPです。
DSP広告という名前は知っていても、イマイチどのようなものか理解していない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コストを抑えつつ、利益の最大化を目指すために、改めて知っておくべきDSPの仕組みやメリットを解説します。
DSPとは?
DSPとは、Demand-Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略で、広告主の広告効果を最適化・最大化するためのプラットフォームです。
DSPにターゲットや予算設定、クリエイティブなどを登録すれば、自動で最適な広告配信をしてくれます。
広告枠の入札・配信、入札単価の調整、クリエイティブ分析など、広告配信に関わる多くの工程を自動で最適化してくれるので、広告主の工数を削減することができます。
費用対効果の高い広告配信ができるため、2011年頃の登場以降、主要な広告配信プラットフォームの一つとなっています。
SSPとは?
DSPで広告が配信される仕組みを理解する上で欠かせないのがSSPです。
SSPとは、Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)の略で、メディア(媒体)の収益を最大化するプラットフォームです。
メディア側が事前に広告枠の希望の値段、出稿条件などを設定すれば、SSPが条件に合った最も収益性が高い広告を自動で配信します。
Demand-Side(需要側)であるDSPに対し、SSPは、Supply-Side(供給側)であり、対の関係性にあります。
セットで使われることで、広告主とメディア双方の利益が最大化できる仕組みといえるでしょう。
DSPの仕組み
DSPとSSPの間では広告枠ごとに、RTB(Real Time Bidding)というオークション型の入札が瞬時に行われています。
①広告枠のあるメディアをユーザーが訪問
②ユーザーの属性情報とともにに、SSPに広告をリクエスト
③SSPが各DSPにユーザー情報を送ると共に、どの広告を配信するか決める入札をリクエスト
④各DSP内での入札結果をSSPに報告
⑤SSPは各DSPから送られた入札結果から、最も入札金額が高いDSPの情報をメディアに報告
⑥メディアが最も入札額が高かったDSPに対して、広告配信リクエストを送信
⑦DSPからメディアへ広告クリエイティブの情報を送信
⇒メディアに広告が表示される
RTBは、広告枠をできるだけ安く買いたい広告主側と、広告枠をできるだけ高く買ってもらいたいメディア側の利害を一致させるために生まれたシステムです。この複雑な仕組みがたった0.1秒という極めて瞬間的に行われており、月間処理件数は数百億件以上といわれています。
大量のトラフィックを迅速に処理できるこのシステムによって、日々最適な価格で広告配信されているのです。
アドネットワークとの違い
よくDSPと混同されがちなのがアドネットワークです。
アドネットワークとは、WEBサイトやブログ、SNSなど複数のメディアの広告枠をひとまとめにし、一括で管理している広告配信ネットワークのことです。各メディアへ広告を一括配信することができます。
主なアドネットワークとしては、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)があります。
よくいわれるのが、アドネットワークは「面」で広告枠が確保できるのに対し、DSPは「人」で広告枠が確保できるという違いです。
例えば、化粧水の広告を出稿したい場合、アドネットワークであれば「美容系カテゴリ」へ広告を出すことになりますが、DSPであれば「20代女性で、美容コスメに興味のあるユーザー」へ広告を出すことが可能なのです。
DSP導入のメリット・デメリット
DSPの仕組みについて理解したところで、ここからは、DSP導入のメリットとデメリットをご紹介します。
DSPのメリット
1.興味関心の高いユーザーにピンポイントで配信できる
ユーザーのcookie情報(年齢、性別、趣味嗜好、行動履歴など)を元に、セグメントをかけることができるので、興味関心が高いユーザーにピンポイントに広告配信することができます。
アドネットワークでもターゲティングは可能ですが、DSPはより「人」に焦点を合わせてターゲティングできるのが利点です。
2.類似ユーザーへ配信できる
DSPの中には、過去に商品・サービスを購入したユーザーと類似した行動をとるユーザーへ広告配信することができる機能をもったサービスもあります。利用することで、成果や費用対効果を高めることが可能です。
3.最適化による運用者の負担減
過去の配信データを基に、ターゲットユーザーに最適だと判断された広告が、自動的に配信されるため、運用者の負担を軽減することができます。
運用者が広告配信のための入札や調整を手作業で行わなくて済むため、クリエイティブの分析や施策を考える時間の余裕が生まれ、広告の効果を最大限高めていくことにつながるでしょう。
メリットの大きいDSPですが、利用の際は多少デメリットもあります。
DSPのデメリット
1.自社に最適なDSPを選ぶ必要がある
世の中には数多くのDSPサービスがあり、各サービスで特徴や強みが異なります。
例えば、連携している配信先メディア、ターゲティングの詳細、運用方法などです。
自社の希望や戦略に合ったサービスはどれか、比較検討する必要があります。
2.広告の配信先がわからない場合がある
利用するDSPによっては、広告の配信先が確認できない場合があります。
配信面によっては、ブランディングを損ねてしまうこともあり得るので注意が必要です。
サービス検討の際に、配信先の情報も含めて確認すると良いでしょう。
まとめ
DSPとはどんなものか、イメージいただけたでしょうか。
ライフスタイルや価値観が多様化する昨今、WEB広告にも顧客ひとりひとりに合わせたアプローチが求められてきています。
細かなターゲティングが行えるDSPは、有効な手段のひとつといえるでしょう。
現在行っている施策に加えて、DSPの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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