ビジネスシーンでよく使用される「ロジックツリー」。
課題の抽出やその解決策を導き出すために使われる重要なフレームワークの1つです。
ロジックツリーを上手く活用できていないと、課題に直面した際に的外れなアクションを起こして無駄足を踏んでしまう可能性があります。
そのような事態を回避するためにも、ロジックツリーの概要から作り方のポイントまでしっかりと身に付けておくようにしましょう。
ロジックツリーとは
ある課題や物事を要素分解して、論理的に原因や解決策を探るためのフレームワークのことです。
ロジックツリーの考え方を身に付けることで、複雑な事象が起きてもそれぞれの要素を具体的に紐解き、課題解決の糸口を見つけることができるようになります。
ロジックツリーの4つのメリット
ロジックツリーを使用するメリットを4つご紹介します。
物事の全体像が把握でき、論点のズレを防ぐ
ロジックツリーを使用するとそれぞれの要素が一目でわかるため、全体像を把握しやすくなります。また、要素や原因が可視化されているので、会議等での論点のズレを防ぐことができます。
原因の特定と解決策を考えやすい
ある課題が浮上しても、その原因が「何か・どこにあるのか」を見つけなければ、根本的な打開策を考えるのは難しいでしょう。しかし、ロジックツリーを活用して不明瞭な課題を掘り下げて細分化することで、原因の発生個所を特定することができ、的確な解決策を考えることが可能になります。
影響範囲や優先度をつけやすい
課題の原因や解決策は、複数に渡って存在している場合が多いです。ロジックツリーを使えば、それぞれの原因を要素分解して把握できるため、「どの要素ならすぐに着手できるのか」「及ぼす影響が大きい要素はどれなのか」などを判断することができます。
チーム連携がとりやすい
課題を自分しか把握していない場合だと、まずチームへの共有から始める必要があります。そうなると課題解決のためのアクションがワンテンポ遅れ、場合によっては事業の命取りにもなり兼ねません。
ロジックツリーは、それぞれの課題の原因が要素として可視化されているため、チームへの共有・連携も容易に行えます。そのため、チーム内でもどういうアクションを取ればいいのか判断しやすくなり、解決までの時間を短縮することが可能になります。
ロジックツリーの種類
ロジックツリーは、主に3種に分類され、課題によって使い分けることがあります。
Whatツリー(要素分解)
Whatツリーは、現状の構造を把握するために活用されます。
要素分解を行うことで全体の構造を紐解き、課題に関連していることが「何か」を導き出します。
Whyツリー(原因追究)
Whyツリーは、根本原因を特定するために活用されます。
課題の原因を並べていき、それらの因果関係を分解しながら根本原因を追究します。
Howツリー(問題解決)
Howツリーは、解決策を洗い出すために活用されます。
解決策を列挙したら、具体的な行動まで落とし込んで実行項目を決めます。
ロジックツリーの作り方とポイント
ロジックツリーをうまく活用するためのポイントを5つご紹介します。
①MECEを意識
MECEとは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」という意味です。
■Mutually:お互いに
■Exclusive:重複せず
■Collectively:全体に
■Exhaustive:漏れがない
ロジックツリーの中で「重複」が生じると、文字通り無駄な重複作業や重複投資を招いてしまいます。また「漏れ」があると正しいロジックツリーを作れず、「漏れ」たものが重要な要素であった場合、結局課題の解決に繋がらなくなってしまう可能性があります。
そのため、ロジックツリーを作る上でMECEを意識することは非常に大切なことなのです。
②全体の定義を明確化
ロジックツリーは、大元の課題から細かく要素を分解していく構造になっているため、前提である課題が「明確かつ正確」である必要があります。
前提が間違ってしまうと、分解した全ての要素がズレてしまうので注意が必要です。要素分解することだけに意識がとらわれないように、まずは前提の課題をしっかりと明確にするようにしましょう。
③仮説思考
ロジックツリーで要素を分解していく際は、「どんな要素があるのか」「想定される事象は何か」といった仮説を持って作り上げていく必要があります。
しかし、限られた時間の中でスピーディーに仮説を立てながらロジックツリーを作り上げることは容易ではありません。
仮説思考は、普段の業務でも身に付けることが可能です。日頃から様々なことに興味関心を持って「どういう根拠があるのか」「何故そうなるのか」といった疑問を持つことが重要です。その疑問をひとつずつ掘り下げていくことで、仮説思考の力を身に付けることができます。
スピーディーに様々な仮説設計が行えるように、日々の生活から意識しましょう。
④左右の関連性を意識
ロジックツリーの要素分解の際は、左右の要素同士が「包含関係」もしくは「因果関係」であることを意識する必要があります。
左右の要素がどちらにも当てはまらないような関係になっていると、重複や漏れ、ズレが生じている可能性があるので見直しましょう。
まとめ
今回は、ロジックツリーの概要から作り方のポイントまで解説しました。
一見難しいことのように感じるかもしれませんが、使いこなしていくうちに今まで見えていなかった部分を発見することができ、ビジネスのあらゆる場面で物事を円滑に進めていくことができます。
ロジックツリーは課題解決はもちろん、目標設定にも活用することが可能なので、是非使いこなせるようになりましょう。
また、ロジックツリーを分析して理解したことは、webサイトやコンテンツ制作、マーケティング施策にも活用することが可能です。ソーウェルバーでは、人工知能を活用した分析ツール「VALIS-Cockpit」で、マーケティングにおいて必要不可欠な「潜在顧客の特徴や興味」を可視化し、広告配信はもちろん、webサイトやコンテンツ制作にも落とし込むことが可能です。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。