ビジネスにおいて、新企画やプロジェクトを提案したり、アイディアを実現するために欠かせないのがプロモーション企画書作りです。
しかしマーケティング業界の経験が浅いなど、企画書作成に苦手意識をもっていて何から手をつけていいのかわからないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
実はいくつかのポイントを押さえるだけで、見違えるほど読みやすい企画書に生まれ変わるのです。
今回は、基本的な作り方からすぐに活用できるサイトまでご紹介します。
プロモーション企画書とは
企画書とは、自分が推し進めたい企画を相手に理解してもらうためのコミュニケーションツールです。プロモーション企画書はその名の通り広告宣伝、広報、販売促進といったプロモーションに関する企画をまとめた文書です。「よし、作ろう!」といきなり真っ白なPowerPointを開いて作り始めるのではなく、まず最初に全体の流れ(構成)を書き出し、項目を列挙していきましょう。
PCのメモ帳に打ちこんでみる、紙に書きだす、付箋に書いて並べ替えてみる、など自分のやりやすい方法で構いません。
基本的な作り方
企画書の基本構成
一般的な企画書は下記のような構成です。
各項目について詳しく解説していきます。
解説1★与件整理
与件整理とは、提案する相手から与えられた前提条件をまとめ、満たすべき条件を明らかにすることです。前章で述べた、メモ帳などに項目を書き出す際に6W2Hの法則を用いれば、簡単に整理することができます。
Why(なぜ):この企画を実施する理由
What(何を):企画の趣旨
Where(どこで):想定している市場
When(いつ):プロモーションの実施タイミング
Who(誰が):この企画を行うのは誰か
Whom(誰に対して):誰がターゲットなのか
How to(どうやって):具体的なアイディアやプラン
How much(いくらで):予算・見積
書き出した項目を、この企画書を初めて読むクライアントにもすぐ理解できるよう、なるべくシンプルにわかりやすくまとめます。
与件整理は要点をまとめたページになるので、このページがあることで今回の企画書が「何を目的とした企画書なのか」「どんな課題解決のための企画書なのか」を事前に簡潔に相手に提示でき、認識を合わせることができます。
「このプレゼンは、クライアントの要望を的確にとらえた上で、これから自分の主張をしていきますよ」というアピールにもなります。
解説2★ 現状分析、背景、目的、問題提起
現状分析では、なぜこの企画が必要なのかという背景を伝えるため、市場のデータを数値で示すなど分析を元に説明します。ここで客観的なデータがあるだけで信憑性が変わってくるので、積極的に入れたいところです。そして、解決すべき問題の提起を行い、目的を明確にすることで企画の必要性が伝わりやすくなります。
例えば、「競合他社の参入を受け、既存商品のシェアを維持するため」など、クライアントの背景を踏まえて、一体何のためにこの企画を行うのか明らかにしましょう。
解説3★ ターゲット
ここでいうターゲットとは、クライアントの商材のターゲットではなく、今回の企画で対象とするのがどんな人かということです。
例えば、10代~50代まで幅広い年代で使われているキッチングッズの企画だとしても、今回はInstagramを使ったPRを提案するのであれば、「10代~20代で一人暮らしを始めたばかりの女性」といった具合です。
解説4★コンセプト
企画のコンセプトを大枠で伝えます。詳細には触れず、基本的な方針、方向性を伝えることを意識しましょう。
解説5★企画アイディア・プラン
自分の考えた具体的なアイディアやプランを詳細に示しましょう。
ここで大切なのは、「まずは一言で表現した後に、詳細を解説する」を意識して作ることです。
例えば、メッセージカードのPRだとして、
「毎日お弁当を作ってくれている母親に、空のお弁当箱に入るメッセージカードでありがとうを伝える企画です」
といきなり詳細を書き連ねるのではなく、
「家族にありがとうを伝えるカード」
と一言で伝えるだけに留めることで、提案相手に想像する余地を与えます。
その後その企画の詳細を書いていきます。
企画を一言で表現できると、相手はその一言を元にイメージを膨らませることができます。提案した企画が100%同意を得られなかったとしても、相手側がイメージした内容から意見が加わることにより、前向きな企画に変わっていくのです。
解説6★スケジュール
企画を実行するにあたって、いつまでに誰が何をするか、具体的な流れを記載します。
解説7★予算
この企画を実施したらどのくらいの費用がかかるのか、合計額や大まかな内訳を書きます。
特に相手側に予算の制約がある場合や競合と比較されている場合は重要な検討材料となるため、必ず入れましょう。その際に、あっさりと金額だけ書くよりも、相手の立場に立ち、心を動かす最後のひと押しの言葉を入れることができると印象が違ってきます。
書き方のコツ
企画書を作り上げたら、情報の抜け漏れがないよう「6W2H」の法則が網羅されているか確認してみましょう。
「Why:なぜ」「What:何を」「Where:どこで」「When:いつ」「Who:誰が」「Whom:誰に対して」「How to:どうやって」「How Much:いくらで」
これらが書かれていれば企画書の基本は抑えられているといえるでしょう。
先ほどの基本構成に当てはめると下記のようになります。
表紙、タイトル
目次
与件整理
現状分析、背景
目的、問題提起(Why)
ターゲット (Whom)
コンセプト (What)
企画アイディア・プラン (Who、Where、How to)
スケジュール (When)
予算 (How Much)
伝わる企画書にするための注意点
これまで企画書の基本を解説してきましたが、さらに伝わる企画書にするための注意点を3つお伝えします。
すっきりコンパクトに収める
企画書は、相手に内容を理解してもらい、賛同してもらうことが目的なので、作業マニュアルとは異なります。あまりにページ数が多かったり、1ページ毎の情報量が多いと、相手の読む意欲をそいでしまうので気を付けましょう。
例えば、極端に減らした余白に小さいフォントを使っていては、読みづらくなってしまいますよね。基本的に企画書は、Windowsなら「メイリオ」、Macなら「ヒラギノ角ゴファミリー」などゴシック体で可視性が高いフォントを使って、すっきり見せるのがと良いとされています。
簡潔な文章を心がける
企画書はパッと見るだけで、ある程度の内容を理解できることが大切です。
そのため、一文一文は長くせず、伝えたいポイントを大きく箇条書きにした上で、補足説明を1~2行つけ加えるという感覚で書いていくと良いでしょう。
グラフや図を使って、視覚的に理解しやすくする
文章だけの企画書は見づらく理解に時間がかかり、伝えたいことが上手く伝わらない場合があります。
グラフや図を使うことで、読む相手の理解を助けてくれます。複雑なグラフや図ではなく、シンプルにすること、また、全体的に統一したデザインにできるとより読みやすくなります。
すぐに使える!企画書の見本が詰まったサイト
企画書作りに慣れるまでは、1本の企画書に膨大な時間がかかってしまう人も多いのではないでしょうか。そんな人にこそ見ておいてほしい、お役立ちサイトをピックアップしました。
すぐに使えるテンプレートサイト
企画書をゼロから作る時間がない!難しい!という場合に役立つのがテンプレートです。
ダウンロードしたテンプレートをベースに、自分なりにカスタマイズしていくのもおすすめです。
Microsoft
Microsoftでは画像やテキストを挿入するだけで使えるプレゼン用のテンプレートが用意されています。企画書内で使えるパーツなども一緒にダウンロードできて便利です。
bizocean
企画書をはじめとして、ビジネスシーンで使える書式テンプレートが多数掲載されています。
参考になるまとめサイト
勉強のためには、質の高い企画書を参考にして、見せ方や考え方を学んでみるのも一つの方法です。
alle
マーケティングやデザイン、組織運営などのカテゴリに分けて、企画書をまとめているサイトです。有名サービスのプレゼン用資料などもあるので、見るだけでも参考になります。
販促会議 企画コンペティション
毎年協賛企業の商品・サービスの課題について、解決策のアイディアを企画書形式で募集しているコンテストです。過去に受賞した企画書を見ることができ、どれもレベルが高いので構成の学びになります。
SlideShare
海外のサイトですが、日本語で「企画書」「プレゼン」などで検索すれば、日本語の企画書もたくさん見ることができます。海外の企画書のバリエーションが豊富なので、時間のある時に眺めているだけでもデザインの勉強になります。
まとめ
プロモーション企画書で大切なことは、情報を整理することと、基本構成と6W2Hを意識して作ることです。
業界経験を重ねていても、意外と苦手意識をもっている人が多い企画書作成。せっかく良い企画を思いついても、提案相手に伝わらなくてはチャンスを逃してしまいます。
相手が抱える現状の課題を明らかにし、企画の有用性を認識してもらえるように、作成のコツを押さえておきましょう。
数をこなしてレベルアップしていけば、大きなチャンスが掴めるかもしれません。
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