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コアコンピタンスを見極めるには?確立するための手順やポイントを解説

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企業活動の中核・中枢となるコアコンピタンスは、現代の過酷な市場競争を生き抜く上で非常に重視されています。
自社でコアコンピタンスを確立できれば市場において優位性を手に入れると共に、更に成長できるきっかけとなるでしょう。
今回は、コアコンピタンスを見極める手順やポイント、導入事例等も交えながら解説していきます。

コアコンピタンスとは

コアコンピタンスとは、競合他社にはない自社独自の「強み」のことを指し、『コア・コンピタンス経営』の著者であるG・ハメルとC・K・プラハラードによって広められた概念です。
コアコンピタンスの「コア」は中核・中枢を意味しますが、まさに企業の戦略や経営方針の「核」となる大切な概念であり、成功するために必要な「他社には真似できない」能力です。

ケイパビリティとの違い

コアコンピタンスと類似した言葉に「ケイパビリティ」があります。両者の違いは、バリューチェーン(付加価値が事業活動のどこで生み出されているか)によって分けることができます。
コアコンピタンスの場合、バリューチェーンの特定部分や機能の強みを指しています。例えば、ソニーのオーディオ技術といった競合他社には真似できない圧倒的な能力となる強みです。
ケイパビリティの場合、バリューチェーン全体(複数部分)を横断した組織的な強みを指しています。例えば、商品・サービスではなく、高品質・労働生産性・情報収集能力等といったその企業が持つ組織的な能力となる強みです。

コアコンピタンスの5つのポイント

コアコンピタンスを見定めるには5つのポイントを抑えておく必要があります。

模倣可能性

まず保有している技術や特性が、競合他社に容易に真似できるものか・追いつくことができるのかという点です。
誰にでもすぐに真似できるような技術・特性では優位性がないため、コアコンピタンスがあるとは言えません。

移動可能性

1つの技術・特性から更に発展・応用することができるかという点です。
市場では絶えず需要が移り変わっていくため、1つの技術に固執してはいずれ戦えなくなってしまいます。単体で完結することがないよう、他分野へ汎用させることも考慮しておくことが重要です。

代替可能性

自社の技術や特性を他の似たような商品・サービスに置き換えられないかという点です。
他にないようなオリジナリティと独自性をもったコアコンピタンスを持つことで、その領域のシェアを独占しやすくなります。

希少性

その分野の市場において、技術や特性が出回っておらず、珍しいものであるかという点です。希少価値が高ければ、市場において自然と優位性が出てくるでしょう。

耐久性

需要は移り変わっていくものですが、その技術や特性が短期間で消滅せず、長期間に渡って競争優位性を保てるかという点です。
耐久性が高ければ高いほど、顧客からその価値を認められたり、信頼性を築き上げることができます。

コアコンピタンスを見極める手順

では実際に自社のコアコンピタンスを見極めるにはどうすればいいのか。その手順について解説していきます。

①強みの抽出

まず最初に行う手順が「強みの抽出」です。現状、自社にどんな強みがあるのかを正確に見極めるためにはSWOT分析等を活用するのが良いでしょう。

■参照:【マーケティング戦略に必須】知っておくべきフレームワーク7選

ただコアコンピタンスは、たった一度の分析だけで完成させることは難しく、何度も繰り返し行いながら作り上げていくものです。そのため一般的に5〜10年程で、長ければそれ以上の時間を費やす必要があります。
自社の強みは技術なのか、人材なのか、ノウハウなのか、1つに固執せずにあらゆる視点から模索していきましょう。

②強みの評価

次の手順が「強みの評価」です。先述した5つのポイント(模倣可能性・移動可能性・代替可能性・希少性・耐久性)に加えて、以下3つの評価が必要です。

顧客にとっての価値になるか

企業が継続して利益を上げるには、顧客にとって価値があるもの・満足できるものであることが必須です。いくら自分達で「強みはコレ」と思っていても、顧客がそれに対して価値や満足感を得られなければ、win-winの関係にならず、ただの自己満足になってしまいます。
顧客の声にも耳を傾けた上で評価していくことでより良いコアコンピタンスを形成できるでしょう。

真似されにくいものか

先述した継続した利益創出のためには、もう1つ、競合他社に真似されにくいものである必要があります。
自社の強みと思っていても、すぐに真似をされるようなものであれば優位性を失ってしまうので、国内外の競合を問わず「真似されにくい」ものを作成するようにしましょう。

応用が効くものか

市場環境は常日頃から変化し続けていくものです。その時は良いとされたものでも、数年後には時代遅れになってしまっていることも少なくありません。そのため、その技術や特性を他の分野に応用可能なものにしておくことで時代や環境に適応させることができるでしょう。

③絞り込み

最後に行うのが「絞り込み」です。①と②で行った結果を元に、自社の将来や市場がどうなっていくのかを予測しながら、絞り込みを行いましょう。
今後もブラッシュアップをしていくかもしれませんが、一度定義したコアコンピタンスの方針を大きく変えることはあまりないので、経営陣含めてしっかりと判断していくようにしましょう。

コアコンピタンスの企業事例

コアコンピタンスを活用して成功している企業をいくつかご紹介します。

ソニー

ソニーはグループ全体で、半導体・オーディオ・ビデオ・ゲーム・出版等さまざまな分野を統括している複合企業です。
ソニーのコアコンピタンスは「製品の小型化」にあると言われています。
1979年に世界初の「ウォークマン」が誕生し、音楽を持ち運ぶという新たな文化で世界的に大ヒットしました。
これによってソニーは、小型化技術というコアコンピタンスを確立させ、その技術はカメラ・テレビ等に応用されていきました。

本田技研工業

本田技研工業は、日本の輸送機器・機械工業メーカーで、世界的に有名な企業の1つです。
1970年に自動車排気ガスによる大気汚染問題に取り組む方針として、アメリカで大気浄化法改正法が施行されました。これを転機と捉えた本田技研工業は、エンジン開発に全てのリソースを注ぎ込み「低公害エンジン CVCC」を作り上げました。
アメリカ環境保全局の厳しい基準にもクリアし、その技術は本田技研工業のコアコンピタンスとして確立しました。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、世界的にも有名な自動車メーカーです。
トヨタのコアコンピタンスは「トヨタ生産方式」にあると言われており、原材料の調達から製造・販売など、顧客に提供するまでの流れをスムーズに行うことです。これをとことん追求していったことで、無駄なく・高品質を生み出すサプライチェーンを実現しました。

まとめ

今回は、コアコンピタンスについて解説しました。
市場や顧客動向も変化し続けていくなか、市場での優位性を確立・維持していくことがより難しい時代になってきています。しかし、これから生き残っていく為には避けては通れないので、今から自社のコアコンピタンスを確立していきましょう。

コアコンピタンスを確立するためにも、やはり大切なのが顧客の分析です。顧客の分析の中でも最も重要視されているのが「インサイト分析」だと言われています。
インサイト分析とは「他社はもちろん顧客自身も気付いていないニーズを分析」するものです。自社のターゲットとなる層がどこに眠っているのかをしっかりと調査した上で作成しないと思わぬ方向に進んでしまい兼ねません。
ソーウェルバーでは、人工知能を活用して自社CRMの「外」の潜在層データを分析し、現状の施策の振り返りと新たな施策の提案を行います。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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