BE PLANNINGの記事

アドフラウドって?様々な広告不正の実態と防止のために広告主が取るべき対策とは。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

WEB広告の配信「効果の実感は無いのに、広告費が嵩むなぁ」と感じたことはありませんか?
それ、もしかしたら『アドフラウド』の所為かもしれません。
今回はそんな『アドフラウド』について。
なんとなく知っているけどよくわからない、という方にも対策法を踏まえてお伝えするので、ぜひ最後まで御覧ください!

アドフラウドとは…広告詐欺

アドフラウドとはWEB広告における広告不正、広告詐欺のことです。
(「アド=広告」と「フラウド=詐欺」)

広告を見るユーザーをターゲットとした一般的なワンクリック詐欺などの犯罪とは違い、アドフラウドは広告を配信する広告主に対しての不正です。
WEB広告は表示回数(imp)やclick数(CV)などの成果で報酬が発生しますが、アドフラウドはその表示回数やクリック数を不正に増加させ、広告費を水増しするものです。

後述しますが、アドフラウドの方法は様々なタイプがあり、不正される前や広告配信後の数値の違いで気づくことも難しいのが現状です。
そんな不正に対して広告配信プラットフォームはアドフラウド対策を促進しており、2019年のYahoo!社でアドフラウド対策として約5900件もの広告配信面を停止したというニュースは当時大きな話題を呼びました。

さらに株式会社Spider Labsが発表した「アドフラウド調査レポート2022年通年版」によれば、広告予算の最大32%にアドフラウドリスクがあり、2022年国内のアドフラウドの被害額は1,335億円を超えると算出。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000108.000031981.html
※参考:https://jp.spideraf.com/adfraud-report-whitepaper

また、デジタルメディア品質分野のグローバルリーダーであるIntegral Ad Scienceの「メディアクオリティレポート 第16版」によると日本のディスプレイ広告のアドフラウド率はデスクトップ/モバイルウェブ共に世界ワースト2位となっています。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000014440.html

アドフラウドはなぜ蔓延してしまう?

WEB広告は大きな成長市場であるために、悪意を持った不正サイトやハッカーなどが多く、彼らは常に新しい不正(手法)をアップデートしています。
また、広告主や一般ユーザーが意識せずにアドフラウドの拡大に加担してしまうことも原因の一つと言えます。

一般ユーザーは不正業者が作成したボットに感染しインプレッションやクリックを偽装され資金源として広告主の予算が使われる、といった形で不正蔓延に無意識に巻き込まれてしまいます。
こうした不正で得た金銭が反社会的勢力に流れ、間接的に資金提供してしまうこともあるため、広告主にとってアドフラウド対策は広告配信を行う上で果たすべき責任と言えるかもしれません。

アドフラウドが広告主に与えるデメリット

アドフラウドは広告詐欺であり、広告主にメリットになることは何もありません。大きなデメリットは広告費を水増しされる被害ですが、他にも様々なデメリットがあります。

過剰な広告費の支払い

正当な成果ではない数字、ユーザーでは無いクリックや無駄なインプレッションに広告費を支払わなければならないことです。
実際の効果、利益に見合わない広告費の支払いで損害を生むことになります。

ブランドイメージの悪化

広告主のブランドにそぐわない配信面(サイト)への掲載によって著しくブランドイメージが損なわれることです。
暴力的なサイトやアダルトサイトに広告が表示されてしまう場合もあるので阻止しなければなりません。

広告成果の検証・評価が出来ない

アドフラウドの不正はインプレッションやクリックなどの数字が水増しされることです。
それらの数値は実態を伴わない、CV(コンバージョン)にならない数値であり、どこまでが正当な数値でどこからが水増しされているのかが不明になり評価が出来なくなります。

アドフラウドの種類・手法

アドフラウドにはどのような不正方法があるのか、いくつかご紹介していきます。
これらの手法は実に巧妙で、気を付けるべきとわかっていても、気づかぬうちに被害にあってしまっている事も多いことがわかります。

隠し広告(Hidden Ads)

インプレッションの成果で取引される広告において、広告表示枠を見えづらくして掲載する手法です。
別の広告を重ねたり、見えないサイズの広告を表示したり、表示域外に広告を表示させたりするなどして、ユーザーに見えていないにもかかわらずインプレッションがカウントされてしまいます。

自動リロード(Auto Refresh)

インプレッションの成果で取引される広告において、広告表示枠を見えづらくして掲載する手法です。
別の広告を重ねたり、見えないサイズの広告を表示したり、表示域外に広告を表示させたりするなどして、ユーザーに見えていないにもかかわらずインプレッションがカウントされてしまいます。

偽ドメイン (Domain Spoofing)

大手の公式ウェブサイトのドメインになりすまして、ユーザーを誤誘導し多くのインプレッションやクリックを不正に獲得する手法です。
ほかにも別のアプリになりすましてアプリインストールやクリック、インプレッションをカウントさせる「SDK Spoofing」も大きな問題となっています。

ブラウザの自動操作(Imp/ClickBot)

自動でブラウザを操作するプログラムを作成し、まるで人が操作しているように見せかける手法です。インプレッションを大量に発生させるものや、不正クリックを一定間隔で発生させるものなど、挙動は多岐にわたります。

広告の差し替え(Ad Injection)

「インジェクタ」と呼ばれるプラグラムによって、不正な広告に差し替える手法です。
本来広告がでているべき所に不正サイトの広告タグが入ってしまうため、正式なサイト(メディア)に入るはずの広告収入が不正サイトへ入ってしまいます。

ファーム(Farm)

大量のデバイスを使ってクリックを不正に発生させる手法です。
こちらもボットや手動など手段を用いてクリックや表示回数を増やしています。

データセンタートラフィック(Data Center)

データセンターなどの広告を閲覧する環境ではない場所、利用していないIPアドレスから不正に広告へアクセスする手法です。
アクセスする情報を詐称してあたかもユーザーからアクセスされたように見せかけるなど巧妙化しており、見分けるのが難しくなっています。

クリック洪水(Click Flooding)

実際クリックされていないにもかかわらず、大量架空クリックがあったと偽装して成果を水増しする手法です。ボットによって自動で行われる場合や人が手動で行う場合もあり、急激に数値が増えるのが特徴です。

インストールハイジャック

ユーザーが使っているデバイスをハッキングし、不正プログラムに感染させることで、アプリストア内でのアクティビティを監視する詐欺手法です。
ユーザーがアプリをインストールするときにマルウェアに感染させ、閲覧していないにも関わらず表示された(インプレッション)、クリックした、と広告主に偽情報を発信します。

Cookie感染(Cookie Stuffing)

不正サイトや強制ポップアップでユーザーのcookieを上書きすることで、その上書き(感染)されたユーザーが正式なサイトで見たのではなく、不正サイトで広告を見たかのように偽装する手法です。こちらも正式なサイト(メディア)に入るはずの広告収入が不正サイトへ入ってしまいます。

広告主がすべきアドフラウドへの対策

これまで紹介したようにアドフラウドは広告主に多大なダメージを与えます。
こうした広告詐欺は次々に新しい手法を用いる為、完全に撲滅させる事は難しいですが、勿論できる対策もあります。
ここでは、広告主となるマーケティング担当が知っておくべきアドフラウド対策をご紹介します。

アドフラウドについて知る

まず重要なのはアドフラウドという広告詐欺があり、どのように被害をもたらすのかを知っておくことです。
広告費の水増し被害も1つですが、広告効果の観点からはその数値が正しい成果なのか判断出来なくなり、効果検証が行えなくなります。
そのため、「この数値は本当か?アドフラウドでは?」という疑問を持てるようになるための知識を持ちましょう。

リスク対策「アドベリフィケーション」を意識する

自社の広告配信を守るために「アドフラウド」「ブランドセーフティ」「ビューアビリティ」の3つの要素から成り立つ「アドベリフィケーション」と呼ばれるリスク対策があります。
「ブランドの安全性」を考慮し、広告主のイメージ低下に繋がるような配信面に掲載されていないか、ユーザーがちゃんと認識できる箇所に掲載されているかなどを「検証=ベリフィケーション」することを意味します。

ここではアドフラウド以外の「ブランドセーフティ」「ビューアビリティ」について説明します。

ブランドセーフティ

正しい配信面に広告が掲載されているか、検証を行う手法をさします。
「ブランドの安全性」を考慮し、自社のブランドイメージにそぐわない面に配信されてしまっていないかを確認します。

▼主な検証方法
・量より質を考えて信頼できるサイトに出稿する
・配信面がどこになるのかをコントロール出来るようにする

ビューアビリティ

配信している広告が本当に”人間・ユーザー”に視認されたのかを検証する手段をさします。媒体によって違いはあるものの、ユーザー(人間)が可視できる範囲内の何秒以上…などの条件をクリアしたものだけがビューアブルインプレッションとしてカウントされるようにすることで、本当に見られているか?を検証する仕組みのことです。

アドフラウド対策のツールやシステムを導入する

広告配信を行っている場合、日々効果測定を行いながら異常な数値が出ていないか確かめることが大切です。
ただ、数字の目視だけでは判断が難しいので、アドフラウド対策として有効なツールやシステムを導入することが重要です。導入コストは必要なので、現在の被害がどのぐらいになるのかを計算、予想しながら導入を検討しましょう。

アドフラウド対策におすすめのツール

アドフラウド対策ツールも数多くありますが、中でもツール導入が初めての方にオススメのツールをいくつかご紹介します。

Spider AF

Spider AF(https://jp.spideraf.com/

Spider AFとは?

Spider AF(スパイダーエーエフ)は、株式会社Spider Labsが開発している国内最大級のアドフラウド対策ツールです。広告主のウェブサイトに計測タグを設置することで、下記のデータを収集し、そのデータをもとにアドフラウドの疑いがあるユーザーを検出します。

  • ユーザーの行動
  • ユーザーの流入元
  • IPアドレス
  • 都道府県
  • 流入元の端末など

機械学習による検知エンジンでアドフラウドを排除し、広告の最適化を行うと共にブランドセーフティを守ります。

Spider AFの主な特徴

Spider AF for App

配信事業者のサーバーや計測SDKとデータ連携を行い、機械学習で分析し、不正な広告成果を検知します。検知された結果をダッシュボード化し、「アドフラウドの疑い」をスコアリング判定。なぜ、アドフラウドであるかを具体的に可視化します。

さらに、詳細な条件を設定しアドフラウド検知の閾値を自分で調整することができる機能もあります。

Spider AFは国産ツールかつ国内の多くの企業で利用されているため膨大なデータを保有し、日本市場を熟知してます。アドフラウドの検知数値がグローバル企業のツールと比べ、日本国内の数値として捉えることができ、オーバーブロックの可能性も最小限に抑えられます。

Spider AF Googleアプリキャンペーンの対策

Googleアプリキャンペーンには様々なメディアに掲載が出来るものの、ユーザーに誤タップを誘発させるサイトなど、不正と捉えられるメディアも多く潜んでいるのが現状です。
このようなサイトに掲載されてしまうと、Googleのキャンペーンは機械学習で配信の最適化が行われるので、誤った数値(不正)を含んでしまい、正しい学習へ進まなくなってしまうのです。

Spider AFのGoogleアプリキャンペーンの対策ではSpider AFが独自で問題があると判明した広告配信面をリスト化して除外対策を行うことが出来ます。
Googleアプリキャンペーンプレースレポートを抽出し、Spider AFブラックリストに該当するモノをAPI連携して自社の広告配信先のブラックリストに登録。
意図しない広告配信面への掲載を防ぎ、広告費の最適化も可能になります。

X-log.ai

X-log.ai(https://x-log.ai/

AIで無駄なクリックを確認して自動排除をしてくれるスムーズさと、ほとんど確認作業だけで導入ハードルが低いです。
無料版と有料版があり、無料版のほうでも十分なパフォーマンスを発揮してくれます。

IAS

IASはアドフラウド対策の大手として世界的に名のある企業であり、違法Botがいつ、どこで、どのように自社に侵入したかを特定するなどの質の高いサービスを提供しています。

Momentum

国内初のアドベリフィケーション事業の会社であり、広告主、メディア、アプリ、アフィリエイト、様々な角度からアドベリフィケーションを提案しているので、対策に注力されたい方はコンサルも含め検討してみてはいかがでしょうか?

最後に

アドフラウドについて、その種類と対策を説明してきました。
日本はビューアビリティが低水準であり、なおかつアドフラウド率が高いという現状があります。企業としても対策を講じなければならない状況なのです。

ですがいきなりいわれてもわからない、ツールを入れても万全とは言えないかも、そうお考えの方はぜひ配信前に「量より質を考えた良質なメディア」を選定することを心がけてください。

もし、どのメディアがいいの?新しいアプリ広告どこで出せばいい?などお悩みの方は当社までお問い合わせください。
元Googleエンジニアたちの技術力で開発されたアドフラウドを最小限に抑えられるアプリDSP広告の配信サービスなどをご提案させていただきます。

メディア、アプリ広告配信に関するお問い合わせはこちらから。
※アドフラウドの記事を読んだと記入し問い合わせください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る