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【第13回】ユーザーのリアルな声を抽出・マーケティングに活用する分析ツール「HAKURAKU」の機能や活用法をご紹介。少なくてもエッジが立った「特徴」とは?

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マーケティングの今とこれからを探っていく連載コラム「ボーン・トゥ・プラン ~明日なき計画~」。第13回目の今回は特別編後編!前回その存在が明らかになったユーザー分析ツール「HAKURAKU」のユニークな機能とマーケティングへの活用法をご紹介。潜在層の発掘から配信セグメントの作成など、幅広く使えるツールになっているようです。
第12回はこちら

アナイグマって??

イントロダクション

前回のあらすじ

ポストCookie時代の新たなユーザー分析ツールを模索していたアナイグマ。
Webの行動履歴が取得できなくなり、これまで活用していたVALIS-Cockpitの代替手段を考えてみたものの、なかなか思い浮かばない。。
そんななか開発のエース「おかっち」から、SNSをソースにした新たなユーザー分析ツールの話が出てきて。。
なんと既に先回りして「HAKURAKU」というツールが作られていた!果たしてこのツールの機能や活用法はいかに…

というわけでHAKURAKUについていろいろ教えてほしいんだよね。

承知です。あ、最初に言っておきますがHAKURAKUはもうできてるものの、これからもっとブラシュアップしていく予定なので、アナイグマさんも意見くださいね!

HAKURAKUの基本的な仕様

まずHAKURAKUはSNSの投稿データを取得してくるっていう前提があって、分析したいワードを設定すると、そのワードが含まれた投稿だけを引っ張ってくるんですね。

例えば「クリスマスプレゼント」って分析ワードに設定すると…

「ちょっと早めのクリスマスプレゼント貰っちゃった」とか「子どものクリスマスプレゼントに何買おうか悩む」といった投稿だけを取得してきます。

それだけならSNS上で検索すればいいよね?

そうですね。なのでHAKURAKUで注目しているのは共起語なんです。

共起語とは、「キーワードと一緒に使われやすいワード」のことです。 あるキーワードについての文が書かれた際、同じ文の中や近くの文に含まれやすい語句のことを指します。

引用:Sprocket

先ほどの投稿だと「早め」「子ども」とかが共起語になりますね。HAKURAKUでは単に投稿を表示するのではなく、その共起語をリストにして表示します。デフォルトではその出現率が高い順に並んでる状態です。

これだと一番多く言われているのは「自分」なんだね。実際にどういう内容が投稿されているのかは…

勿論見れます。

へー!こう見ると「自分へのクリスマスプレゼント」って言ってるユーザーがすごく多いんだね。プレゼントだからてっきり誰かにあげるって話が多いと思ってたけど。

そうですね。これだけでもSNS上では所謂「普通」という感覚とは異なった投稿が多いのがわかりますね。

主な機能

基本的な仕組みを説明したところで、HAKURAKUが持つ機能を解説していきますね。

STEP1:整える

ノイズ除去

独自のルールによりアフィリエイトへの誘導やボットなどの不要な投稿を除外。

先ほどアナイグマさんは、検索するだけならSNS上でできるって仰いましたよね?

うん、そうだね。

では実際「クリスマスプレゼント」って検索するとどうなるかわかります?

なんだ?この単語ばっかり羅列している投稿は。。

これは所謂アフィリエイトへ誘導する投稿ですね。

ちゃんとしたユーザーが投稿している内容じゃないから、分析には向かないね。これもユーザーの投稿としてカウントしちゃうと、共起語の出現率とかおかしくなるよね。

そうなんです。ここがSNSが分析に活用し難いと言われているところなんです。言ってしまえば不要なデータ=ノイズが多いという。なのでどういったデータがノイズになるのか知見を溜めて除去する機能を持たせることで、HAKURAKU上には出てこないようにしてます。※

すごい!

こういった羅列系以外も、法則性を持っているケースが多いので除外してます。

※実際には除外リストを表示することも可能

STEP2:探す

ニッチな声を拾う

共起語リストから、出現率の低いものなどを任意表示する絞込み機能。

すごいんだけどさ、ただノイズを除去しただけだと、なかなかコレ!っていう共起語は見つけられないよね?

そうですね。特に出現率が多い=よく使われるってことは、ありきたりな意見だったりすることもあるので、上から見ていくだけでは見つけられないでしょうね。

特に潜在層って話になるとね。

そう言うと思って絞込み機能も付けてます。これで出現率が極端に少ないものだけ見たり、中間くらいのものを見たり、といった見方が可能です。

なるほど。色濃く出る特徴ってマジョリティになるけど、逆にマイノリティがかき消されちゃうっていう、これまでの分析ツールが内包していたジレンマを解消したわけだ。

さすが話が早いです。これまでのツールって割と多い順にテーブルにどん!って材料並べて、「はい!それでは好きなように料理(分析)しちゃって!」みたいなのが多い印象なんですよね。

わかるなー。

勿論分析するのはツールではなくてあくまでも人なので、それは良いんですけど、もうちょっとヒントとか出せるようになればいいなーって。というわけで、絞込み機能のほかにも、詳しくは割愛しますが投稿内容の特徴量からユーザーをグルーピングする「クラスタリング」機能も付けました。

割愛するんかい!

まぁ同じような特徴を持つユーザーを分けることで、似ている共起語をワードクラウドで可視化すれば、気になる共起語を見つけやすくなるかなーというイメージですね。最終的にはその共起語や投稿自体、ユーザーもそれぞれブックマークできるので、気になるものを集めて仮説を立てていくという流れです。

STEP3:導く

ペルソナ推定

ブックマークしたユーザーのその他の投稿を取得し、興味カテゴリや日常生活などを推定。

ここからはAIと連携した部分なので、STEP2で集めたデータから推測したり拡大したりっていう工程になります。

連携してるんだ!?ということは自分で立てた仮説が正しいか、AIに判断してもらうってこと?

それも良いんですけど、限定的な使い方だけじゃなくて、更に他に見えてくることが無いか、よりペルソナをはっきりさせるって感じです。

なるほど。クライアントから「ペルソナをきちんと設計したい」みたいな要望はよく貰うから、そういうときに使えそうだね。

ペルソナってひとつじゃないと思うので、クライアントが考えているペルソナの解像度を上げる、もう一方でクライアントが想定していなかった新たなペルソナを発見する、っていうのもあるじゃないですか。

あるある。

例えばクリスマスプレゼントなら、通常のペルソナは贈る側のユーザーで、その解像度を上げるために分析からデモグラ、職業、贈る人、タイミング、シチュエーション、、なんかを推定する。

もう一方で、さっき言ってた自分へのクリスマスプレゼントっていうペルソナも同じように推定していくってことだね。

そういうことですね。

機能を踏まえた活用法

ここまで紹介してきた機能を踏まえた上で、実際にどのようにマーケティングに活用していくのか、最も気になる部分を紹介していきましょう。

HAKURAKUの活用法としては大きく2つの軸があると考えています。

広告訴求軸

共通する興味関心からユーザーの特徴をペルソナとして具現化。
そこからどういった訴求軸で広告を打つべきかを導き出す。

ペルソナ推定機能から導き出されたユーザー像に基づき、クリエイティブの訴求内容などに反映していく軸です。

例:腕時計の場合

スマホ時代に(時間がすぐわかるにも関わらず)腕時計をするユーザーのなかには、「要らないと思っていたけど欲しくなった」という意見が見られた。ペルソナ推定機能により他の投稿を取り込んだ結果、共通項として「丁寧な暮らし」に関心が高い層が導き出されたため、訴求内容に盛り込み新たなユーザーにアプローチ。

広告配信軸

共通する興味関心からそのまま配信に応用できるカテゴリ、キーワードを可視化。
各プラットフォームの配信設定にあるキーワードターゲや興味関心カテゴリに活用する。

特徴的な共起語の関連語や周辺語を連携しているAIにより拡大して抽出し、そのまま配信セグメントに活用する軸です。

例:健康食品の場合

カロリーオフ商品を購入するユーザーのなかには、トレーニングや本気でダイエットをしている層だけでなく、ちょっと気になったから軽くダイエットをしている「ゆるダイエット」層も多く投稿していた。その内容を紐解いていくと、アルコールやスイーツなどが好きが故にダイエットにも意識が向いているという傾向が見られたため、あえてアルコール・スイーツ興味カテゴリやキーワードターゲティングに応用。

ざっと説明したんですが、どうでしょうか?

すごくわかりやすかったし、クライアントへの提案にも使えるイメージが掴めたよ!

よかった!

ただ、セグメントに応用するのはあくまでアドオンって感じかな。

アドオン?

通常配信している、どストライクなセグメントを止めてこっちにしましょう、っていうのは違うと思うんだよね。それは継続しつつ、プラスでこっちの層も取っていきましょうってこと。

なるほど。。

ペルソナがひとつじゃないって話があったと思うけど、根本的にはそれと一緒かな。あと、これはまだまだ新たな使い方がありそうだな、とも思った。

そうですね。その辺を更に突き詰めていければと。

AIと連携しつつも、やっぱり分析って人ありきだからね。どういう分析がしたいのか、どうしたらそれが実現できるツールが作れるのか、考えることができるのは人間だから。

その視点と知見が、HAKURAKUに魂を入れていくことになるんでしょうね。

アナイグマのひとこと

そもそもHAKURAKUの由来って、中国で名馬を見分ける名人「伯楽」からきてるんですよね。光るものを持っていても、それを探し出すのが大変なわけで、だから皆やらないんじゃないかと。でもそこをかき分けて、隙間から光が差し込むように手助けするのがこのツールの役割だと思います。子どもって何故だか落ち葉に埋もれた道でも、どんぐりを拾ってくるんですよ笑。大人になると他の余計な知恵が身についてしまって「落ち葉で埋もれていない所」に探しに行ったりするんです。それだと誰でも見つけやすいし、新たな発見に繋がることはないんじゃないかと思います。私がサポートしているクライアントは商品を作って施策を考えている、いわば業界のプロなわけですから、その業界の知識や経験では勝ち目はありません。でも、だからこそ見えなくなっている、固定観念に囚われていることもあるんですよね。HAKURAKUを活用することで、今までに無い訴求内容だったり、配信セグメントだったりっていうのを提案できる、そしてその提案のエビデンスとしてこういうデータがあるって言えることが重要だと思います。

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