商品・サービスを扱う企業にとって避けられない、と言っても過言ではないのが「コモディティ化」。
インターネットの普及による情報量の増大や海外からの輸入品の増加といった様々な要因で、コモディティ化のスピードは増すばかりです。
コモディティ化の対策を疎かにしてしまうとすぐに価格競争に陥ってしまうので、巻き込まれないためにもしっかりと対策を行っておくようにしましょう。
コモディティ化とは
コモディティ化とは、特定の商品・サービスが市場において画一化して、競合との差別化が図れず市場価値が低下してしまうことです。これは特定の分野で、類似の商品・サービスが溢れているような成熟した市場で陥りやすい現象です。
企業が日々新商品の開発や販売を行い、世の中に認知されるようになっても、それを真似した競合他社が同じような商品・サービスを販売することは珍しくありません。
そうなると商品・サービスに大きな差異がなくなるため、ユーザーは高品質で価格が安いものへと流れていきます。結果として、商品・サービスを多く売るために「低価格競争」を余儀なくされてしまうのです。
コモディティ化の原因
コモディティ化が引き起こされる原因について解説します。
供給が需要を大幅にオーバー
特定の分野の市場に様々な企業が参入したことによって、同等かつ類似の商品・サービスが溢れてしまい、供給が需要を大きく上回るという事態が発生することがあります。さらに、ユーザーはスマホやPCで類似の商品・サービスの比較検討を容易に行えるため、高品質で低価格なものを選ぶようになります。
それにより、企業は売上を確保するために価格競争に参入せざるを得なくなり、コモディティ化を招いてしまうのです。
商品のモジュール化
すでに標準化された要素を使って、商品・サービスの開発を行っていくことをモジュール化と言います。ITや自動車、エネルギーなどの業界では比較的モジュール化が進んでいます。
メリットとして、開発効率の向上や開発コストの削減などがありますが、他社も同じように標準化されたものを使うと類似の商品・サービスが生まれ、コモディティ化が進みやすくなります。
技術水準が高まった
現代における各企業の基本的な技術力についてはそこまで大きな差がなく、ユーザーが求めるレベルの商品を開発することはある程度可能です。
もちろん、突出して高い技術力を持った企業もありますが、他社はその技術を真似しながら開発を行っていく可能性があるので、結果として競合同士での差異が分かりにくくなってしまうのです。
低価格の海外商品が流入
人件費が日本より低い海外のメーカーでは、日本国内で製造している企業よりも安く商品を販売することが可能になります。仮に品質が同等ということになると、日本でも類似商品を低価格で販売せざるを得なくなり、価格競争が激化します。
コモディティ化の対策
次にコモディティ化の対策ポイントについて3つ解説します。
①付加価値で差別化を図る
競合との価格競争に陥らないためにも、差別化を図ることが大切です。
例えば、特定のユーザーにターゲットを絞り込むことで商品・サービスの希少価値が高まったり、コンセプトをリブランディングして、他にないオリジナリティを示すことで新たな価値が付与され、差別化に繋がります。
②ブランディング
ブランドを確立させてユーザーに認知してもらえるようになると、コモディティ化は起こりにくくなります。
ユーザーにとって「ブランド」自体が特別な価値を持つので、類似の商品・サービスでもブランドで選んでもらえる可能性は高くなるでしょう。
③インサイトを重視する
ユーザーのインサイトを重視した商品・サービスの開発は、コモディティ化を防ぐ上で大切です。ユーザー自身も気付いていない潜在的な課題を見つけ、それに合わせた商品・サービスを提供することで、他との差別化を図ることができます。
まとめ
コモディティ化の原因や対策について解説しました。
ユーザーにとってコモディティ化は、高品質な商品・サービスを安く入手できるためメリットに感じますが、企業にとっては事業存続に関わる大きな課題です。
前述で何度もお伝えしていますが、いかに他との差別化が図れるかが、コモディティ化を防止するポイントになります。そして今、差別化を図るために重要視されているのが「顧客インサイト」です。
ユーザー自身も気付いていない課題=競合も開発できていない領域なので、大きな差別化が図れるチャンスと言えます。
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