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ニーズとウォンツの違い -顧客が求めていることの本質を知るには?

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顧客の内面に潜む「欲求」を理解することは、商品やサービスの売上を伸ばしていくために欠かせません。
「ニーズ」と「ウォンツ」は同じ「欲求」を表すマーケティング用語ですが、その違いを正しく理解できていますでしょうか?似ているようで異なるこの2つの用語をきちんと使い分けできていないと、誤った施策になりかねません。
本記事では、それぞれの違いから、使い分けることで得られる効果を解説します。

ニーズとウォンツの違い

ニーズとウォンツどちらも顧客が「何かを欲している」という点では同じです。
違いを理解するには、「ニーズ=目的」「ウォンツ=手段」と捉えるとわかりやすいです。

例えば顧客が「おにぎりが欲しい」と言った場合、これはウォンツ=手段です。
漠然とした欲求ではなく、具体的な欲求のことです。

一方、「お腹がすいたので、何か食べてお腹を満たしたい」と目的を述べているのがニーズです。ニーズの時点では、「お腹を満たしたい」という欲求を解決する手段は明確になっていません。何かしらお腹を満たす方法を探している状態にあります。

顕在ニーズと潜在ニーズ

ニーズはさらに、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」に分けられます。
例えば、「気分転換をしたいから、普段行かないレストランに行きたい」という欲求がある場合で考えてみましょう。

・顕在ニーズは自身が自覚しているニーズ

「気分転換をしたい」という部分が顕在ニーズに当たります。顧客自身が自覚しているので、企業からもアプローチしやすい存在です。

・潜在ニーズは自身が気づいてないニーズ

潜在ニーズの場合は本人がまだ気づいていない欲求です。「気分転換をしたい」という顕在ニーズを突き詰めてみると、「失恋の辛さを忘れたい」という、より深い本質的なニーズが潜んでいる場合があるのです。このような潜在ニーズがある人に対して、「最近オープンしたオシャレなレストランに行って、気分転換しませんか?」と勧めると、「行きたい!」と考えてもらえる可能性があります。

顕在ニーズのみしか把握していない場合、「気分転換にはレストランがいいですよ」としか勧められませんが、潜在ニーズまで理解していれば、「実はこのレストラン、恋愛のパワースポットとしても人気なんですよ」といった一歩踏み込んだ提案もできるのです。

このように、企業側は顕在ニーズに着目するだけではなく本質的な潜在ニーズを探すことで、顧客に最適な解決策(=ベストソリューション)を提供することが可能になります。そうすることで、顧客は「ウォンツ」を見つけ、商品やサービスの購入へとつながっていくのです。

ニーズを探る意味

多くの場合、顧客が最初に言葉にするのはウォンツです。
ただ、自社商品やサービスの売上を伸ばしたいなら、ただウォンツを把握するだけでは不十分です。ウォンツをしっかり把握したのち、ニーズを引き出していくことが重要です。

先ほどのレストランの例だと、手段であるウォンツ(=レストランに行きたい)を探索することで、本来の目的であるニーズ(=気分転換をしたい)が見えてきます。
すなわち、「レストラン」だけではなく、「旅行」や「スポーツ」などもウォンツの候補になり得ます。
前段でも説明しましたが、顕在ニーズを深堀り本質的なニーズ=潜在ニーズは何かを見極めることによって、顧客にベストソリューションを提案でき、顧客満足度を高めていけるのです。

さらに、顧客のウォンツから潜在ニーズを引き出すことで、別の顕在ニーズやウォンツを導き出し、新たな切り口で自社商品やサービスをアプローチして顧客拡大を狙える効果もあります。

ウォンツからニーズを引き出そう

ウォンツからニーズを引き出す方法

顧客のウォンツ(=具体的な手段)に対し、質問を重ねることで、ニーズを掘り下げていきましょう。

・ウォンツが欲しい理由を尋ねる
・ウォンツに対する質問を重ね、ニーズを深堀っていく

「なぜ?」をくり返すことで、「体調を崩しがちなので、睡眠の質を上げたい」という本質的なニーズが見えてきました。「ベッドルームの雰囲気を変えたい」「早朝に起きて妻に迷惑をかけたくない」など顧客ごとに異なったニーズが見つかるはずです。

ニーズを深掘ると、提案の余地が広がる

「枕が欲しい」というウォンツから、「体調を崩しがちなので、睡眠の質を上げたい」というニーズまで深ぼれると、解決手段は「枕」以外にもあることがわかります。その顧客にとって、ベストな解決手段は「遮光カーテン」「シルクのパジャマ」などもしかすると別のところにあるかもしれません。

ニーズを深掘ったことで、顧客自身も気づいていなかった解決策を提案することが可能となり、競合に打ち勝つ戦略のひとつとなるでしょう。

まとめ

ニーズとウォンツの違い、ウォンツからニーズを探る方法について解説しました。
ウォンツはあくまで顧客自身が思いつく選択肢の中から、選んだ手段の1つにすぎません。
潜在的に抱えている本質的なニーズを探ることで、顧客自身では気づけなかった最適なソリューションを提案できるようになります。
ウォンツとニーズをうまく使い分け、今後のマーケティング活動にお役立てください。

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