企業や商品・サービスのブランディングにも繋がる「タグライン」。
顧客に対して、自社の想いを「一言」で伝えるためのフレーズのことですが、
タグラインによって企業や商品・サービスに対するイメージが大きく変わるため、ブランディング等を見据えながら考えることが重要です。
今回は、タグラインの概要や作り方、似た言葉としてよく使われる「キャッチコピー」との違いも踏まえながら解説します。
タグラインとは
タグラインとは、企業や商品・サービスのコンセプトや、顧客にとっての価値を分かりやすく伝えるフレーズのことです。
例えば、「カラダにピース。」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これはカルピスのタグラインで、乳酸菌飲料が「体に良い」ということやカルピスを飲んで「笑顔=幸せ=平和(ピース)」を増やしていくというイメージを想起させるためのフレーズになっています。
つまりタグラインは、「○○」と言えば「○○」というような、その企業や商品・サービスのコンセプト・価値を顧客がパッと理解しやすいということと、ずっと頭に残りやすいフレーズということがポイントになります。
タグライン例
「自然を、おいしく、楽しく。」 KAGOME
「お口の恋人」 LOTTE
「ココロも満タンに」 コスモ石油
「あったらいいなをカタチにする」小林製薬
「お、ねだん以上」 ニトリ
キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、その言葉通りユーザーの気持ちをキャッチするためのフレーズです。消費者のニーズに強く訴えかけて、興味を持ってもらい購入に繋げることが目的です。
例えば、「あの冬が、呼んでいる。」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これはJR東日本が打ち出したもので、スノーレジャーに行きたいと考えるユーザーの背中を後押しするキャッチーなフレーズになっています。
同じ商品・サービスでも、ターゲットや季節・キャンペーンごとに合うような言葉でユーザーの興味を惹きつけるのがポイントになります。
キャッチコピー例
「ひとつの空の下に、いくつもの未来を。」 LUMINE
「飛び出せ!夏旅」 JTB
「もっとおいしい、いれたて緑へ。」 伊右衛門
「今年の夏はどこへ行こう」 無印良品
「新しいあたりまえをあなたへ。」 日産
タグラインとキャッチコピーの違い
どちらも企業や商品・サービスのブランディング・マーケティングの施策目的で活用されますが、2つの大きな違いは、ユーザーに「コンセプトや価値を伝えるものか」「興味を惹きつけるものか」ということです。
キャッチコピーは、ターゲットや季節・キャンペーンと限定的に使われることが多いため、トレンド等を盛り込んでユーザーに興味を持ってもらうということが重要になります。
一方でタグラインは、企業・商品・サービスそのもののコンセプトや価値を伝えるためのフレーズになるため長期に渡って使われます。そのためキャッチーさというよりは、企業の想いが込められたもの、そして将来的にずっと親しまれるフレーズが適していると言えるでしょう。
タグラインの作り方
では実際に自社でタグラインを作成する場合、どんなことを心掛ければ良いかについて解説します。
ターゲットを明確にする
タグラインを発信する相手は誰なのかによって、使う言葉やフレーズは変わってくるのでターゲットを明確にしてから考えましょう。
ちなみにタグラインは、社外向けのものだけではありません。企業や商品・サービスのコンセプトや価値を社員に再認識させることを目的とした社内向けのタグラインも存在します。
ユーザーにとっての価値を想起させる
タグラインは抽象的な言葉ではなく、ユーザーが企業や商品・サービスを利用することで得られる価値や体験を想起できるような言葉にしましょう。
なるべく簡潔で覚えやすいもの
企業からすると理念やコンセプト等伝えたいことは多くあると思いますが、長々としたタグラインはユーザーの頭にスッと入ってこないため理解されにくいです。なるべく簡潔かつ韻を踏めるような言葉だとユーザーにより認知してもらいやすいでしょう。
まとめ
今回は、タグラインの概要や作り方について解説しました。
自社のタグラインを作ることは、ブランディングやマーケティング施策に活用していくことが可能になるだけでなく、エンゲージメントに繋がる大事なことです。
また、タグラインは長期に渡って発信し続けるものなので、作成する際はまず誰に向けたものなのか・どんなものだったらユーザーが価値を想起しやすいかを踏まえた上で、じっくりと考えていくようにしましょう。
しかし、そもそも「ターゲットをどうすれば良いか分からない」という方も多いかと思います。そんな時にまず見るべきポイントは「顧客インサイト」です。
顧客インサイトとは、他社はもちろん、顧客自身も気付いていない内に秘めたニーズや興味関心のことで、それを分析することで他では発掘できないニーズ・興味関心を発見し、タグライン作成に役立てることが可能になります。
ぜひ、自社らしい独自のタグラインを作り、今後のブランディングにお役立てください。