モノやサービスが溢れる現代、自社商品を売るためのマーケティングはその重要性を更に増すとともに、マーケティングを担当するマーケターは、企業の中核を担うポジションとしてますます重要視されています。
今回は、マーケターに必要とされるスキルや、スキルアップのために役立つ知識をご紹介します。
これからマーケティングの仕事に携わりたい人、新人マーケターやなかなか成果を挙げられていないとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
マーケティングとは
そもそもマーケティングとは、モノやサービスが「売れる仕組み」「儲かり続ける仕組み」を作るための活動全般をいいます。
顧客のニーズを十分に理解することで、ニーズを満たせる価値を創造し、結果として利益をあげることがマーケティングの主な目的です。
「誰に」「どのような価値を」「どうやって提供するか」を考え、実行する活動を指します。
マーケターとは
マーケターとは「ニーズに応えて、売上を作る人」であり、「『モノ』を『商品』に変える人」とされています。
良いモノ・サービスがあっても世に知られていなければ、売れることはありません。その「製品のメリットを理解し、効果的な宣伝をすることで、顧客に商品の価値を感じてもらい満足してもらう」仕組みを作る人がマーケターです。
マーケターの仕事は、業種によって異なりますが、大きな流れは以下のようになります。
- 市場・ターゲット調査
商品やサービスのターゲットとなるユーザーの趣味嗜好や行動パターンを分析 - 分析
商品やサービスのターゲットとなるユーザーの趣味嗜好や行動パターンを分析 - 商品企画
商品やサービス企画担当者と一緒にコンセプトを決定 - 戦略立案
何を使ってどのように売るのか販促方法を考案し、実行 - 検証
効果検証を行い改善案を提案、PDCAを回していく
マーケターに必要なスキル
その力量によって企業の売上や業績が大きく左右されるため、花形ともいえるマーケターですが、具体的にどんなスキルが必要なのでしょう。
企画力
先に述べたように、商品やサービスが売れる仕組みを作ることがマーケターの仕事です。
マーケターに求められるスキルの中でも最も重要ともいえるのが、顧客の課題を発見し、改善する企画を立てられる力です。
データ分析力
売れる仕組みをつくるためには、市場調査や集めたアンケートなど、収集した情報を様々な角度から適切に分析しなければなりません。
マーケターが良く使う分析方法は下記のようなものがあります。
- 3C分析
「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」３つの観点から分析する方法
▶関連記事：3C分析 - バリューチェーン（価値連鎖）分析
事業を主活動（製造・販売など）と支援活動（人事・技術開発など）に分類し、商品やサービスが顧客に届くどの工程で付加価値（バリュー）が生み出されているのかを分析する方法 - PEST分析
「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、 Technology(技術)」４つの観点から分析する方法
▶関連記事：PEST分析
これらの分析を行った結果から、次にすべきアクションを読み取る思考力や判断力も求めれらます。
マーケティング全般の知識
効果的なマーケティング戦略を考えるためには、市場調査・プロモーション活動・効果検証など一連の業務の知識が不可欠です。経験がまだ浅い場合は、資格取得を目指したり、セミナーに参加するなどして、知識を高めていくことが大切です。
情報収集力
ターゲットとなる顧客がどんなものに興味があり、何を必要としているのか理解しているか否かで売上は大きく変わってきます。
より効果的なプロモーション活動をするためにも、SNSやニュースなどあらゆるメディアから常に新しい情報やトレンドを仕入れ、現在の市場に合った施策を考えていく必要があります。
調整力・コミュニケーション力
マーケターの業務は自社内外問わず、やり取りや調整が多いため、トラブルなくスムーズに進めるためにはコミュニケーション力が重要です。
チーム内だけではなく他部署と連携して意思疎通を図ったり、意見が分かれた時は間に立って調整し、方向性を定めていく場面も多いでしょう。
プレゼンテーション力
マーケティング部門では、企画書を作成しプレゼンする機会が多くあります。
せっかく良い企画を立案しても、内容を相手に認めてもらえなければ実現が遠のいてしまいます。
明確でわかりやすく、説得力のある提案となるプレゼンテーション力が求められます。
論理的に内容を組み立てるのは勿論、パフォーマンス面でもボディランゲージを交えて伝え方を工夫するなど、刺さるプレゼン能力を鍛えましょう。
Web制作関連の知識
直接的なマーケティングスキルではありませんが、特にデジタルマーケティングにおいては、基本的なWeb制作に関する知識を身に着けておくに越したことはありません。
HTML・CSS・JavaScript・PHPなどプログラミング知識、WordPressなどのCMSでページ作成する知識、Photoshopなど画像編集ソフトに関する知識をもっているとWebデザイナーやコーディング部門との連携や自社Webサイトを運用する際に役立ちます。
広告に関する知識
マーケターはWeb広告などの運用を行いながらデータを分析し、成果の最大化を図るのが重要なミッションです。
目的に合わせて適切な媒体を選定し、どんな広告手法が有効なのかを判断するためにも広告全般に対する知識が必要となります。
マーケティング能力を高めるためには
マーケティング能力を高めるためには、時事関連の新しい情報にアンテナをめぐらせ、必要な情報とそうでない情報を取捨選択していくことが大切です。そして日々インプットした情報からイメージを膨らませ、対象となる商品に置き換えてみるなど、活用できそうなアイディアを考えることを習慣づけましょう。
また、新人マーケターの場合は資格取得を目指すのもおすすめです。勉強を通してマーケティングの知識を身につけることができます。
マーケティングに役立つ資格
企画力を向上させたい
Webプロデューサー試験（Web検）（公益社団法人 全日本能率連盟）
ビジネスを成功に導くために、現状把握、戦略立案、プロジェクトのハブとしての能力などの実績的な内容を問う試験です。同社では他にWebデザインやディレクション、リテラシーの試験も実施しており、Webプロデューサー試験は広告・マーケティング、ビジネスコンサルタント、広報宣伝などが対象者とされています。
データ分析力を向上させたい
Webアナリスト検定（日本Web協会）
Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスを体系的に学べる検定です。
ユーザーフローに沿ったデータ分析の考え方や集客、回遊、CV、リピートなど基礎から しっかり実務で役立つ考え方を学べます。
ウェブ解析士（一般社団法人 ウェブ解析士協会）
Web解析スキルを身につけ、データを読みとり適切な判断ができることを目指す実践的な資格です。
Webマーケティング用語などの基礎知識を学んだ上で、用途に応じたアクセスデータの活用方法や、解析による課題の発見・改善方法を学べます。
統計検定（一般財団法人 統計質保証推進協会）
統計に関する知識や活用力を評価する検定です。
試験の種別によって内容は異なり、データや表の基礎知識、統計学の活用力、データ分析を身近な問題に活かす力などが出題されます。
マーケティング全般の知識をつけたい
マーケティング・ビジネス実務検定（国際実務マーケティング協会）
特定の業種・業界にとらわれない共通のマーケティング知識の習得を目指した検定です。マーケティング理論だけではなく、実務知識や時事情報を学べます。
マーケティングスキル向上に関わるその他の検定
WEB制作に関する知識を学びたい
→Webクリエイター能力認定試験（サーティファイ） https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
PCスキルを高めたい
→Excel®（エクセル）表計算処理技能認定試験（サーティファイ） https://www.sikaku.gr.jp/ns/el/
コミュニケーション力を高めたい
→コミュニケーション検定（コミ検）（サーティファイ） https://www.sikaku.gr.jp/c/nc/
プレゼンテーション力を高めたい
→プレ検（プレゼンテーション検定協会） https://preken.jp/
注目のマーケティング手法の取り入れ方
近年、MA・SFA・CRMツールを利用したマーケティング、コンテンツマーケティング、SNSを活用したマーケティング、動画マーケティングなど数々の手法が生まれ、注目を集めています。
ただし、流行りのマーケティング手法だからといって、やみくもに取り入れても大きな効果は見込めません。
まずは自社の商品やサービスにあった全体のマーケティング戦略を考え、目的を明確にすることから始めましょう。その目的に合った手段を選ぶことが大切です。
▶関連：「MA・SFA・CRM」どこが違う？それぞれの機能について詳しく解説
YouTubeマーケティングとは？企業が活用するメリットと成功のためのコツ
【今さら聞けない基礎知識】SNS広告とは？メリットや各SNSの特徴、成功の秘訣を解説
まとめ
マーケティングの仕事は幅広く、自社製品がヒット商品やサービスになるかどうかがマーケターの腕の見せどころです。
企画力・分析力・コミュニケーション力など求められるスキルは多いですが、自身の企画が成功したときの喜びは計り知れないものになるでしょう。
ステップアップのためには実務経験を積むことが一番ですが、並行で率先して勉強を重ね、マーケティングスキルを向上させていきましょう。
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