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商品が選ばれる理由:カテゴリーエントリーポイントの重要性と見つけ方

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カテゴリーエントリーポイントとは、特定の商品やブランドを思い出すきっかけとなる場面やニーズのことです。
自社商品のブランド力を向上させたり、売上を伸ばしたいのに、なかなかマーケティングの成果が出ないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回はカテゴリーエントリーポイントを自社のブランディングに活かせるように、その見つけ方や増やすメリット、活用例などを紹介します。

カテゴリーエントリーポイントとは

カテゴリーエントリーポイント(Category Entry Point/CEP)は、消費者が特定のカテゴリの商品やサービスの購入を検討し始める最初の段階で思い浮かべる要素や状況のことを指します。

例えば、消費者がシャンプーを購入する際に「香り」や「高級感」というCEPが浮かぶと、そのカテゴリの中で特定のブランドを思い浮かべやすくなります。
つまり、場所や時間、ターゲット、シチュエーションなど、商品やサービスを購入したいと思った時に結びついたイメージこそがCEPです。

企業が効果的にCEPを設定し活用することで、競合他社との差別化やブランド力の向上に繋げることができるのです。

カテゴリーエントリーポイントを増やす4つのメリット

幅広いターゲット層を顧客にできる

多様なCEPを持っていると、異なるニーズやライフスタイルを持つ消費者に訴求できます。
例えば「お菓子」のカテゴリで、「子供に人気」だけだと顧客が絞られてしまいますが、「大人のお酒のおつまみにも」「疲れた時の栄養補給」などの複数のCEPがあれば、特定のターゲット層だけではなく、幅広い層にアプローチすることができるのです。

顧客との接触機会の増加

複数のCEPを持っていると、顧客との接触機会が増えます。
多くのシチュエーションで思い出してもらえるため、消費者の中でブランドの存在感が大き
くなります。
例えばコンビニは「ちょっとしたものを近くで買いたい」「チケットを発券したい」「現金を下ろしたい」などの多様なCEPを持っています。接触機会が多いのはもちろん、「チケットを発券したついでに軽食も買っておこう」と購入のきっかけにもなり得ます。
接触機会が増えることで、購入機会の増加も期待できるのです。

複数のカテゴリで挑戦できる

CEPを増やし、複数のカテゴリで挑戦する機会が生まれることは、マーケティングの視点からとても価値の高いことです。
カテゴリによっては長年上位に想起されるブランドが変わっておらず、上位に食い込んでいくのは難しい場合もあります。
そこで新しいカテゴリやニッチなカテゴリへとCEPを広げることで、新しい市場で競争できるようになり、上位を狙える可能性が出てくるのです。

リスクの分散

特定のCEPに依存しすぎると、トレンドの変化によって影響を受けやすくなります。多様なCEPを持つことでマーケットリスクを分散し、安定した集客が可能になります。

カテゴリーエントリーポイントの見つけ方

自社の商品やサービスのCEPが何かを考えるために役に立つのが「W’sフレームワーク」です。
南オーストラリア大学のJenni Romaniuk教授が提唱した方法で、7つのWと1つのHから始まる質問項目に当てはめることで、消費者行動が発生する様々な状況を分析します。

<W’sフレームワーク>
When:カテゴリーが購買/利用されやすいのはいつか?
Where:カテゴリーは主にどこで利用されるのか?
While:どんな行動の最中(行動の前後)にカテゴリーの必要性が生まれるのか?
With What:カテゴリーを使うとき、他に一緒に利用されるカテゴリーは?
Why:なぜそのカテゴリーを使うのか、どのような目的のために採用するのか?
How feeling:カテゴリー利用中(前後)、利用者はどんな気分?
With/for Whom:カテゴリーを利用するのは誰か?他に一緒に利用する人はいるか?

このように7W1Hを使うと、顧客が購入に至るまでにはさまざまな背景があることが理解しやすくなります。
活用することで消費者が特定のシチュエーションで思い出すCEPを作ることができるでしょう。

カテゴリーエントリーポイントを効果的に活用する方法

効果的に活用すれば消費者の購買意欲を高めることができるCEP。
企業がCEPを増やしていくにあたっては2つのことを意識しておきましょう。

幅広いカテゴリを狙う

1つのカテゴリに依存せず、新たな視点でカテゴリを見つけてCEPを設定していくことで、幅広いアプローチが可能になります。
異なるニーズやシチュエーションに対応しやすくなることで、市場での価値を高めることができます。
また、1つのカテゴリーで長い間上位にいるブランドが固定されている場合、覆すことは非常に難しいでしょう。それよりも新たなカテゴリで上位を目指す方が理にかなっているといえます。

カテゴリの上位に入ることを目指す

大企業や強いブランドほど、多くのカテゴリーポイントを持っているといわれています。
幅広いカテゴリーで想起されることも大切ですが、より多くの顧客獲得のためにはカテゴリの上位に入ることを意識しましょう。
なぜなら、上位に想起されればされるほど、顧客に選ばれやすいからです。

カテゴリーエントリーポイントの事例

ユニクロ

機能性とシンプルさというポジショニングが定着しています。

CEPの一部例)
・ファッションに特別興味はないが、品質の良いものが欲しい
・エアリズムやヒートテックなど季節ごとに適した商品
・日常で使える低価格でシンプルな服

レッドブル

エネルギー補給できる飲み物としてブランドが定着しています。

CEPの一部例)
・スポーツの前、長時間の運転前などの集中力が必要な場面
・試験期間の学生、残業中の社会人のエネルギー源
・エクストリームスポーツと関連付けて、高強度の運動やエネルギーが必要な瞬間

NIKE

運動を始めたり、運動の目標達成したい時のモチベーションを高めるブランドとして定着しています。

CEPの一部例)
・「Just Do It」というスローガンで挑戦する気持ち
・バスケットボールやサッカーなどチームスポーツに特化したライン展開
・ファッションブランドとして日常で使えるスタイリッシュなウェア

まとめ

カテゴリーエントリーポイントを増やすことは、顧客が「⚪︎⚪︎といえばこのブランド」と思い浮かべる”きっかけ”として機能します。
顧客の日常生活の中で、商品やサービスを想起されるポイントが増えれば、認知度の向上やターゲット層の拡大、購入機会の増加が見込め、売上を増やしていくことができるでしょう。

ソーウェルバーでは、顧客理解をより深めるための分析ソリューション「HAKURAKU」を提供しています。
HAKURAKUを活用することで、ユーザーの行動や期待をより詳しく把握でき、カテゴリーエントリーポイントを提案する機能も搭載しています。
自社ブランドのイメージを知りたい、認知拡大したいとお考えの方、ぜひ一度お問い合わせください。

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