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子育て世代をサポートする「ベビーテック」とは?最新の事例を元に解説

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アメリカから広まった「ベビーテック」。
時代の変化とともに、日本でも育児に対する考え方が多様化し、それに合わせるように様々な製品やサービスが登場しています。今回は、今後も需要が高まっていくとされるベビーテックが広まった背景や市場規模、最新の事例について解説していきます。

ベビーテックとは

ベビーテックとは、BabyとTechnologyを組み合わせた造語で、妊娠や出産、育児をする人をサポートするための製品・サービスのことを指します。ベビーテックを活用し、少しでも多くの人が効率的かつゆとりをもって子育てができるようになることが期待されています。

毎年アメリカで開催される世界最大級の電子機器の見本市「CES(Consumer Electronics Show)」で、2016年に「Baby Tech Award」が開催され、新しいテクノロジー部門としてベビーテックが紹介されました。

ベビーテックが注目される背景

なぜベビーテックが注目されるようになったのか。その背景となっている3つの主な理由について解説します。

核家族化

核家族の割合は1920年時点ですでに過半数を占めていましたが、1960年代に更に加速していきました。日本でもかつては一つの家庭に複数の親族が住むのが当たり前でしたが、現代では核家族が基本となっています。核家族では、身近に育児を手伝ってくれる人がいないケースが多いため、仕事・家事・育児を一人でこなす「ワンオペ」をせざるを得ないケースが多く、社会問題にもなっています。

共働きの増加

様々な制度や社会意識の変化によって、1980年以降から共働き世帯が増加し続けています。仕事と育児を両立するために「いかに限られた時間の中で効率よく育児をするか」という需要もあり、ベビーテックは注目を集めています。

ダブルケア問題

晩婚化が進む現代では、子育てをするタイミングと両親の介護をするタイミングが重なる「ダブルケア」が増加しています。平成28年の内閣府男女共同参画局の調査報告によると、ダブルケアラーは約25万人と推計しており、約100人に3人がこの問題に直面しています。

ベビーテックの市場規模

日本では1997年以降少子化が進んでいますが、実は国内ベビー用品・関連サービスの市場規模は増加し続けています。
矢野経済研究所が実施した調査によると、2021年の市場規模は前年比0.9%増の4兆3,513億となり、2023年も増加する予測となっています。

【出典:矢野経済研究所「国内ベビー用品・関連サービスの市場規模」】

アメリカでは、ベビーテック系ベンチャー企業の資金調達は、シードステージで2億7000万ドル、レストステージで総額500億ドルを超えていたりと、将来性を見込んで積極的に投資されている市場になっています。

ベビーテックの事例

ベビーテックは、下記の9つの領域に分けて、製品・サービスの開発を行っています。

・授乳と食事 部門
・学びと遊び 部門
・安全対策と見守り 部門
・妊活と妊娠 部門
・健康管理 部門
・記念・記録・思い出 部門
・保護者支援サービス 部門
・保育ICT 部門
・家事の効率化 部門


今回は、2022年に開催されたBaby Tech Awardsで表彰されたサービスを各部門ごとに紹介します。

授乳と食事 部門「ごかんごさい」

https://www.clubyasuyo.com/gokangosai/

FUNFAM株式会社が提供するサービスで、専用レシピサイトの閲覧、オンライン離乳食教室、離乳食・幼児食の宅配BOX等を受けることができます。10年で10万世帯の子育てをサポートした経験のある離乳食研究家のメソッドも取り入れたサービスで注目を集めています。

学びと遊び 部門「coemo(コエモ)」

https://www.takaratomy.co.jp/products/coemo/

株式会社タカラトミーが提供するサービスで、パパやママとそっくりな声(合成音声)で読み聞かせをしてくれる製品です。「読み聞かせはしてあげたいけど、毎日は大変」というニーズをもとに開発され「新しい読み聞かせ体験」が生まれました。

安全対策と見守り 部門「CuboAi 赤ちゃんねんね見守りセット」

https://jp.getcubo.com/

Yun Yun AI Baby Camera Co.,Ltdが提供するサービスで、AIを搭載したスマートベビーモニターと赤ちゃんの細かな動きも検知するセンサーパッドがセットになっている製品です。どちらもスマホと連携することが可能で、動きがあると通知してくれたり、録画もしてくれるので、自分の時間を確保しつつ見守りが可能なサービスです。

妊活と妊娠 部門「妊娠・授乳期に!あすママコース」

https://www.asken.jp/

株式会社askenが提供するAI食事管理アプリ『あすけん』内に新しく作られた妊婦・授乳中の方向けのサービスです。日々の栄養管理や体重管理等を記録できたり、不足している栄養素をチェックすることも可能です。

健康管理 部門「母子モ 子育てDX 小児予防接種サービス」

https://www.mchh.jp/boshimo-kosodatedx

母子モ株式会社が提供する「乳幼児期の予防接種に関する手続きのオンライン化を支援する」サービスです。子育て世帯・自治体・医療機関を繋げることで手続きが簡略化され、事務作業の効率化も期待できるサービスです。

記念・記録・思い出 部門「柱の記憶」

https://muilab.com/ja/

mui Lab株式会社が提供するサービスで、付属のデジタルタッチペンで柱に子供の身長や落書き、メッセージなどを書いて、それをデジタルデータとして記録ができるという製品です。情報はクラウドに保存されるので、何年か経った頃に家族みんなで昔の思い出に浸ることができる心温まるサービスです。

保護者支援サービス 部門「もったいないを未来につなぐ『コドメル』」

https://codomel.com/

株式会社JPホールディングスが提供するサービスで、子育て関連のリユース用品を出品・購入し合うマッチング支援をメインに、子育てに必要な商品や子育て情報を発信するサービスです。
子どもは成長が早く、一瞬しか使われなかったものでも次の世代に受け継ぐことで”もったいない”を減らすことができ、「SDGs」も考慮されたサービスです。

保育ICT 部門「gifted・発達障害支援者向け動画メディアincluvox《インクルボックス》」

https://incluvox.jp/

株式会社voice and peaceが提供する動画メディアで、発達障害者を支援する目的で作られたサービスです。1分でわかる支援方法動画や専門知識・最新情報を盛り込んだ動画を、スキマ時間に見ることで、知見を高めることができるサービスです。

家事の効率化 部門「育児・家事共有サポートアプリ『我が家のトリセツ』」

https://torisetsu.family/

ピジョン株式会社が提供するサービスで、夫婦間で簡単に育児や家事のやり方をシェアできるモバイルアプリです。日々仕事や育児に追われるパパ・ママのストレスが少しでも軽減できるように、アプリ内に作成したトリセツを通して家事や育児がしやすくなるサービスです。

まとめ

今回はベビーテックについて解説しました。
晩婚化や核家族化といった時代の変化によって、ベビーテックは各国から注目を集めています。市場規模調査からも分かるように、今後もベビーテックの需要は高まり、益々市場は成長していくでしょう。
これから参入を検討している方には大きなチャンスかもしれません。

しかし、参入を検討するにしても自社がその部門で何を行っていくかはしっかりと見極める必要があります。その際に必要になってくるのが「顧客インサイト」の分析です。

顧客インサイトとは、他社はもちろん、顧客自身も気付いていない内に秘めたニーズのことで、その部分を分析することで他ではわからないニーズを発見し、新たなターゲットユーザーの発掘や商品・サービスの開発に活かすことが可能になります。
ソーウェルバーでは、人工知能を活用して自社サイトの「外」の潜在層データを分析可能にしたツールをご用意しております。現状の施策が正しいのか・どんな施策を打ち出していけば良いのか等のお悩みがある方はお気軽にお問い合わせください。

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