インターネット広告を扱うマーケターなら必ず耳にする「Cookie」。
最近「Cookie規制や制限」という話題を特に耳にしていませんか?
「実際のところCookieがイマイチよくわからない」「Cookie制限ってどれくらいヤバいの?」そんな方はぜひこの記事を読んで、Cookieを理解し、制限されることで発生する影響について、今一度真剣に考える機会にしてください。
- もくじ
- そもそも「Cookie」とは?
- 「1st party」「3rd party」がつくとどうなる?
- 「1st party Cookie」と「3rd party Cookie」の役割の違い
- 3rd party Cookieを取り巻く環境
- 3rd party Cookie制限で影響が懸念されるもの
- まとめ
そもそも「Cookie」とは?
Cookieとは閲覧サイトのWEBサーバーから発行されるテキストファイルの事を指します。
このように言われてもピンと来ないかもしれないですが、WEBサイト上での「足跡」のようなものです。
具体的には、IDや接続情報、ページ内での入力情報など閲覧サイト内での行動を記録し、再度そのサイトに訪れた時にスムーズな情報を呼び起こしてくれるものです。
WEBで買い物をしようとして途中でやめたとしても、次の日に昨日の続きから買い物が出来るのはこのCookieのおかげなのです。
「1st party」「3rd party」がつくとどうなる?
同じCookieでも「1st」や「3rd」partyといったCookieの名称をよく見かけます。一体何かというとCookieの発行主の違いを表しています。
1st party Cookieとは
ユーザーが訪れているWEBサイトのドメインが発行するCookieの事を指します。
例えば閲覧しているサイトが「https://www.*******.co.jp」だったとして「*******.co.jp」に当たる相手がCookieを発行・管理しています。
3rd party Cookieとは
3rd party Cookieは反対に、ユーザーが訪れているWEBサイト以外のドメインが発行するCookieの事を指します。
会社サイトとして運用しているAというドメインがあるとして、そのサイト内にバナー広告が表示されていたとします。この場合、Aのドメインから発行されるCookie(1st Party Cookie)とは別に、バナー広告を表示させている広告配信サーバーからもCookie(3rd Party Cookie)が発行されます。
「1st party Cookie」と「3rd party Cookie」の役割の違い
1st party Cookieと3rd party Cookieではその発行元が違うというお話をしました。ですがこれだけではこの違いが、私たちにどう関係するのかがよくわかりません。
そこで具体的な違いを比較していきましょう。
1st party Cookie | 3rd party Cookie | |
Cookie発行者 | 閲覧サイトの運営元 →発行者を認識できる | 運営元以外の第三者 →誰だかわからない |
情報の管理範囲 | 閲覧サイト内部だけ →サイト内での行動だけ管理される | 複数サイトで横断管理可能 →意図せずに行動が追跡される |
Cookieの活用法 | 運営元がそのサイトの用途に使う | 閲覧サイト以外の企業が サイト外の用途(広告等)に使う |
ユーザーメリット | ・登録情報を記憶してくれる ・買い物の履歴などを残してくれる ・以前みたページを記憶してくれる etc… | 自分の趣味趣向に合った広告が 表示されやすくなる |
このように「1st party Cookie」は閲覧しているサイト内でユーザーのアクセスを記録し、サイト運営や、ユーザーの利便性向上の為に活用されるのに対して、
「3rd party Cookie」は閲覧サイト以外の企業が、他複数の外部サイトでユーザーに合った広告を配信するために活用されます。
3rd party Cookieを取り巻く環境
上記の通り「3rd party Cookie」はパーソナライズされた広告を表示してくれるというメリットがあるものの、ユーザーが認識しずらい所でCookieが発行され、意図せず外部サイトでそのCookieを活用されることに対して「不安」を感じるユーザーも少なくありません。
企業側に大きなメリットがあるCookieですが、ユーザーのプライバシーの観点から、Cookie規制の動きが広がっています。
Apple社:Safariの機能「ITP」を搭載
「ITP」とはIntelligent Tracking Prevention、日本語で「賢く追跡を阻止する仕組み」と直訳します。
上段で「3rd party Cookie」は閲覧サイト以外の企業が複数のサイトでユーザーの閲覧履歴を広告などで活用する事に言及しましたが、「ITP」はこの動きを阻止する仕組みです。
初期のITPでの「3rd party Cookie」に対する制限は、「Cookieを付与しても24時間後に自動削除される」ものでしたが、アップデートが行われた現在では「Cookieを付与してもその場で即、自動削除される」ようになっています。
Google社:Chromeのプライバシー保護機能
2020年1月の発表で「2年以内に3rd party Cookieの利用を規制する」とリリースしました。
現状1年の延期が公表され、2023年の段階的な廃止に向けて準備を進めているようです。
最終的には3rd party Cookieのサポートを終了するため、その代わりとなるターゲティング広告の新たな仕組み(プライバシーサンドボックス)を提案しています。
3rd party Cookie制限で影響が懸念されるもの
リターゲティング広告への影響
一度サイトに訪問したユーザーに対して、追跡して広告配信を行うリターゲティング広告。
この広告は第三者のアドサーバーからCookieを付与したユーザーに配信している為、3rd Party Cookieが中心の配信システムになっています。
リターゲティング広告は費用対効果も高いため依存している企業も多く、その影響は甚大です。
▼リターゲティング広告の詳しい記事はこちらから
リターゲティング広告とは?-基本的な仕組みとポストCookie時代の影響
メディアやASP・アフィリエイトへの影響
リターゲティング広告や、デスプレイ広告などのインターネット広告で収益を図っていた、メディアやASP、アフィリエイトの収益率は3rd Party Cookieが廃止されることによって50%以上下がる可能性があると言われています。
これまでのインターネット広告は3rd Party Cookieのデータに頼って配信設定や効果計測を行っていました。
そのため3rd Party Cookieが無効化されることで、これまでと同様の広告自体の配信も難しくなり、収益を維持出来なくなってしまう可能性が高くなってしまうのです。
まとめ
Cookieの基本的な説明から3rd party Cookieの規制、取り巻くシビアな影響までご紹介していきました。
多くの企業が現在もインターネット広告で3rd party Cookieを活用しています。Cookie規制の動きも広がる中、3rd party Cookieに代わる新しい何かを見つけ、今の依存状態から抜け出すために多くの企業が対策に頭を悩ませています。
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