マーケティングの今とこれからを探っていく連載コラム「ボーン・トゥ・プラン ~明日なき計画~」。第10回目の今回は、誰もが何かしらインストールしているスマホアプリの広告について。自社アプリのインストール数の伸び悩みや、アプリの活用を促進するにはどうしたらよいのか悩まれているという担当者の声を小耳にはさんだりします。アプリ広告は閉鎖的な市場でもあるので、アプリ広告やその広告プラットフォーム等について、今一度「アナイグマ」と一緒に考えていきましょう!
第9回はこちら。
- 目次
- アナイグマって??
- イントロダクション
- 自社アプリの重要性
- アプリマーケティング
- アプリ広告のプラットフォーム
- 大手テック企業のプラットフォームで配信していれば良い、という問題?
- 大手が活かせない63%の可処分時間を活かすMoloco
- まとめ
- アナイグマのひとこと
アナイグマって??
イントロダクション
スマホアプリ制作会社への不合理な手数料禁止の法制度検討、というニュースがありました。
アプリをリリースする際にGoogleやAppleといった大手企業のシステムは必要不可欠です。
ただ、そうした大手の独占になってしまわないように、もしくはアプリ制作会社への大きな負担になってしまわないように整備をしていきましょうねというニュースだったのですが、個人的にはタイムリーで…営業メンバーのたけし君もどうやらアプリについて考えているみたいです。
最近自社でアプリを持っている企業さんと話すんですが…
うんうん。
アプリは最近頑張ってないって言われる事が多いんですよね。
なるほど。せっかく開発したのにもったいないですね。
とりあえず競合も皆リリースするから作ったけどインストールされないし、撤退する方向で考えてるって企業さんも。。
確かに数年前に巻き起こったアプリ開発ブームに乗っかって雨後の筍のごとくアプリは作られましたからね。
なんていう話がありました。
自社アプリを作ったはいいけど「インストールされない」「活用されない」。
だから現在アプリに力を入れていない・撤退予定という企業さんも少なくないみたいです。
でもアプリって本当はすごく重要な役割を持っているんですよね。
自社アプリの重要性
ここで自社アプリの重要性や開発することでどんな事が期待できるのか、改めて考えてみましょう。
顧客との密接な関係構築
自社アプリを通じて、顧客との直接的なコミュニケーションや相互作用を可能にし、密接な関係を築くことができます。また顧客がアプリにアクセスし使用することで、そのフィードバックを受け取ることができます。
これにより、顧客のニーズや要望をより深く理解し、それに基づいてカスタマイズされた体験やサービスを提供することができます。
ブランドの強化と差別化
アプリを通じて、ブランドの価値観やメッセージを効果的に伝えることができます。また、アプリは独自の機能や特典を提供することで、顧客に対して独自性をアピールすることができます。
これにより、競争の激しい市場で顧客のファン化を進めることができ、ブランドの認知度と価値を向上させることができます。
データの収集と分析
顧客情報や購買などに関する貴重なデータを収集する事ができます。
分析し顧客の行動パターンや傾向を把握することで、マーケティング戦略や商品開発に役立てることができ、収集したデータを基に、個別の顧客に対してよりパーソナライズされたメッセージやオファーを送ることができます。
これらがよく言われていることなんですが、顧客との関係を築く上でも、マーケティングや商品開発の戦略を考える上でも重要な役割を持つのがアプリの強い所ですね。
顧客接点だけじゃなくて、ユーザーの声を集めて分析にも活用できる感じですよね。
そう。更にWEBサイトと違って訪問して終わり、じゃなくてアプリは繰り返し使ってもらってるか?というリテンション(継続)っていう指標もあるから、ナーチャリングの要素も機能として持っているんですよね。
こんなに重要度の高いアプリを、多くの企業が持て余してしまっているのはなぜなのでしょうか?
それは冒頭でもありましたが「インストールされない」もしくは「活用されない」という大きな課題を多くの企業が抱えているからです。
勿論UIの使い勝手が悪い、アプリ内で完結せずに結局WEBサイトに飛ばされる、といったようなアプリ自体の問題もありますが、そもそもアプリの存在が知られていない=アプリマーケティングがうまくいっていない、ということに起因しています。
そこでアプリのインストール、利用者を増やす為の”アプリ広告”について、簡単にご説明していきます。
アプリマーケティング
アプリ広告にはいくつかの種類があります。
WEB広告と似通っている部分も多くありますが、少しずつ違いがあるので説明していきます。
インストール広告(CPI広告)
ユーザーに対してアプリのダウンロード・インストールを促す広告形式。
広告プラットフォームを通じてユーザーが使用しているブラウザやアプリにアプリのインストールを促す広告が配信されます。クリックやタップによってユーザーは直接アプリのダウンロードページにリダイレクトされ、インストールを行います。
※CPIとはCost Per Installの略で、1インストールにかかる広告コストを表す指標
リエンゲージメント広告
既にアプリをダウンロード・インストールしたユーザーに対して、アプリの利用を促す広告形式です。アプリをインストールしたものの活用していないユーザーに対して、特定の機能や新機能の利用を促したりすることで、アプリの活性化やリテンションを向上させます。
リマーケティング広告
既にアプリを利用したことのあるユーザーやアプリ内で特定の行動をしたユーザーに対して、広告を表示する広告形式です。
ユーザーの関心や行動履歴に基づいてパーソナライズされた広告を配信し、再度アプリに関心を持たせたり、アクティブなユーザーとの関係を維持したりします。
インセンティブ広告
ユーザーに特典や報酬を提供することでアプリの利用やインストールを促す広告形式です。例えば、アプリ内での特典アイテムやゲーム内通貨を提供する代わりに広告を表示させたり、特別なオファーや割引を提供したりします。
アプリの広告にはアプリをインストールさせるものの他に、アプリを活用させる広告もありますね。広告を打つのなら現状自社アプリではどのようにユーザーにアクションしてもらうのが良いのかをしっかり考える必要があるんですね。
アプリ広告のプラットフォーム
広告の説明をしたので、合わせてアプリ広告のプラットフォームをご紹介していきます。
GoogleやAppleは欠かせないものの、Facebookなどの大手SNSなどもアプリプラットフォームの一つです。
通常のWEBマーケティング同様、それぞれのSNSの利用者の属性や世代にも特徴があります。
- Apple Search Ads
- Google Ads
- Facebook Ads
- Twitter Ads
- TikTok Ads
よく聞く名前のプラットフォームが多いですね。 これだけ見ると、アプリインストールは大手のプラットフォームだけでやってればいいのでは?って思ってしまいますね。
果たしてそれだけでいいのでしょうか?
大手テック企業のプラットフォームで配信していれば良い、という問題?
とある企業の調べでは大手プラットフォームは消費者の可処分時間(ユーザーが自由に使える時間)の37%を使用しており、広告市場では大きなシェアを占めているといわれています。
しかし37%というのは100%の中の約1/3です。
実はこの大手プラットフォームの外側には63%もの消費者の可処分時間が眠っているのです。実はこのシェアをこれらのプラットフォームは活かしきれていないのです。
そうなんですね!大手がリーチできるシェアって思ってたより全然少ない。。
あまり都合の良くないことをわざわざ発表したりはしませんから。
それではなぜ、みんな大手のプラットフォームに集中してしまうのでしょうか?
それは広告の効果を求めているからです。
大手のプラットフォームは大手だけあってユーザーが多くデータも豊富です。
消費者やデータが多いということは色々な人に、色々な場所で広告を見てもらえる機会が多いことを意味しています。
また、大手ともなればシステムへの投資額も高く、配信の肝となる機械学習に膨大な投資を行い精度を高めていることも選ばれる理由のひとつです。
また、ユーザー数や投資額の他にも大きな理由があります。それは大手企業の信頼度にあります。
アプリ広告だけでなくWEB広告にはアドフラウドという広告費用をかさましするような悪質な行為が行われてしまう事があります。
■アドフラウドについてはこちら
特に海外のアプリDSPはこのアドフラウドの発生が多いといわれており、日本国内の広告主はアドフラウド対策の一環としても安定の大手プラットフォームを選択する傾向が強いです。
このようにユーザー数、投資額、大手の信頼度から、現状多くの広告主が大手のプラットフォームで広告配信を行っています。
しかしこのように多くの企業は同じプラットフォームに依存する事である現象が起きています。
それが予算勝負の問題です。
多くの企業が同じプラットフォームに出稿する。
結果、広告の効果は一定なのに、広告予算だけが増加する現象が発生します。
アプリインストール広告において、初めての運用であれば大手プラットフォームを使い、配信における数字感やおおよその費用対効果を把握することはとても大切です。
しかし、大手プラットフォームだけでその効果の頭打ちを感じて諦めてしまうのは非常にもったいないです。
なぜなら、先ほど記載した通りユーザーの可処分時間の63%を活用できていないから。
この63%を開拓するだけで、新しい可能性を見出す事ができるからです。
確かに大手以外のエリアを開拓するのは良さげですけど、そんな簡単に開拓するなんて無理ですよね。
実はそんなことも無いんです。最近私がよく提案するアプリDSPがあって、これがなかなか優秀なんですよ。
大手が活かせない63%の可処分時間を活かすMoloco
MolocoとはIDFAのデータに依存することなくアドフラウドを最小限に抑えクリアな広告配信を行う数少ないアプリDSP広告です。
Molocoの機械学習
Molocoの創業者はYouTubeのレコメンド機能の開発に携わった機械学習に精通しているプロ。
そんな彼のもとに集まったエンジニアは元Googleなど、厳しい世界でたたきあげられたプロ集団です。
そんな彼らの作ったMolocoの機械学習は非常に高性能で速く精確です。
IDFAデータ(iOS端末の広告識別子)、WEB広告でいう3rd party cookieを使うことなく「1st party cookie」「コンテクスチュアルデータ」「キャンペーンデータ」を使い精緻な機械学習を行います。
その速さは通常であれば最適化に4~8週間かかる学習が、2~3週間まで短縮可能。
MolocoはアプリDSPの企業では無く「機械学習の企業」と名乗っていますが、それを自負するほどの学習力の高さがあります。
そんなMolocoの広告効果はiOSではトップクラスと評価されており、純度の高いデータで精度が高い学習が行われていることもありROAS、LTVのKPIを重視できる事も大きな特徴の一つです。
Molocoの誠実な広告配信
Molocoは独自のアドフラウド評価ソフトウェアを広告主に提供することで知見を得て対策を強化してきたり、誠実にアドフラウド対策を行っています。アプリ広告の効果測定プラットフォームであるAppsFlyerが出しているランキングにも選出されるなど、第三者からの評価が高いことからも証明されています。
さらにMolocoでは配信キャンペーンデータの開示を行い、パブリッシャーレベルのデータと、ログレベルのデータを隠すことなく広告主に提供してます。
このようにアドフラウド、データの開示を見ても、Molocoは透明性高く広告運用を行っている事が伺えます。
へー!こんなDSPがあるんですね。ぶっちゃけアプリ広告やってるよ、って言われると、入り込む隙が無かったんで営業としては助かります!
正直だね笑 ただ、勘違いしてほしくないのは、「大手をやめて切り替えましょう」っていうことじゃないんですよ。
なんでですか!?Googleに使ってる予算を全部もらっちゃったほうが売上が、、
これまた素直だね笑 大手には大手にしか出せない面とパフォーマンスがあるのは事実だし、競争ではなく共存がクライアントにとってはベストだと思います。
クライアントのことを考える、、そんな当たり前のことを忘れていました。。
機械じゃなくて、いい機会学習になったかな?
あ、親父ギャグってやつですね!勉強になります!
…
まとめ
今回の連載ではアプリの重要性とその広告、さらに大手プラットフォームにはないアプリDSPの特徴をお話ししました。
大手プラットフォームに出稿するメリットは多くありますが、ある程度アプリインストールの広告を行った経験のある担当者は、「その他の」選択肢としてアプリDSP広告の検討も行いましょう。
大手プラットフォームと同等の効果、もしくはROASやLTVに関してはそれ以上の効果を期待できるかもしれません。
今回この記事でMolocoが気になった方はぜひ資料を確認してみませんか?
アナイグマのひとこと
私が思うに、Molocoの良さはアプリに特化していること。 アプリを使っているユーザーに対して、アプリ内で広告を打つアプリ専用のDSPというところが、アプリとブラウザのどちらでも配信している大手と大きく違うところ。 ブラウザに配信するということは、ブラウザを使っているユーザーにも配信できるというわけで、裏を返せばアプリだけインストールしてもらいたい場合は、ブラウザユーザーはノイズになりうる場合もあるって事だと思いますね。 そう考えるとアプリ特化型のMolocoはアプリインストール広告としてノイズの少ない純粋なアプリプラットフォームであるともいえるのではないでしょうか。